英文社名「Legend」が使用困難、「Lenovo」に変更
それではここで、聯想の長年にわたるブランド構築の軌跡をたどってみよう。
まず、聯想が長年にわたり使用していた英文社名「Legend」が使用中止となった理由だが、それはLegendがあまりにも多くの国で登録されており、聯想集団が新たに商標権を獲得するのが非常に困難だったからである。
国際化を進めるため、聯想は新たな英文社名「Lenovo」を使いはじめた。聯想はLenovoの起用とともに、それまでの「聯想1+1」ブランドの使用を中止した。聯想1+1の存在がLenovoブランドの普及を妨げると考えられたからだった。
だが聯想にとって、当面もっとも重要な市場が中国市場であることは論をまたない。その中国市場においては、「聯想1+1」がすでに広範な消費者に浸透したコアブランドだった。英語の「Lenovo」より漢字の「聯想」に対して、中国の消費者は親しみを持っていた。だから、「聯想1+1」ブランドを放棄することは当時の聯想にとって、中国市場での大きな損失を意味した。 しかしそれでもあえて、聯想は「Lenovo」として国際企業への道を歩む選択をしたのである。
「Legend」から「Lenovo」に移行しようというこの重要な時期、聯想は、「If You Want」というキャッチコピーを打ち出した。「Le」はこれまでのブランド「Legend」から取り、技術革新を意味する英語「Innovation」の一部をとった「novo」を加えた。言うまでもなく「たゆまぬ技術革新を続ける聯想」をイメージさせるための戦略だった。
ブランド名切り替えの発表会で、薫事長の楊氏は次のように述べた。「当社はこれまでブランドの一括した管理を重視せず、明確なブランドイメージを打ち出すことができなかったが、今後は『If You Want』をベースとしたブランド構築を早め、聯想の国際化のために準備作業をおこなう」。