宮脇修一社長コメント
会場では海洋堂の宮脇修一社長にお話をうかがうことができたので、コメントを紹介しておきたい。
――1日開催では足りないほどの来場者となりました。
「最初は平熱でやるつもりのイベントでね。『限定商品があります!』とか行列を作ってやろうというのでもなくて、エンドユーザー向けにネットやブログで発信してもらうためのネタの提供の場として1回やってみたいなと。だから見本市のようなもんじゃなくて、本当はインストアライブみたいな形で小さくやりたかったんですけど、たまたま東京アニメセンターが使えたんでね。でも蓋を開けてみたらむちゃくちゃ来てもらって死ぬほど大変でした。13時までに来られた方には大変な不便をかけてしまいましたね。反省点としては、もっとゆっくり見てもらうための工夫が必要だったかと思います」
――リボルテックは、普段フィギュアを買わない層にもヒットしました。
「現状それなりに売れるフィギュアって、3千個とか5千個が普通なんですよ。結局いまやってるのはパイの取り合いで、閉じた世界になってるんで、僕らはなんとかしてフィギュアを楽しんでくれるお客さんの層を増やしたい。そのためのリボルテックということで値段を安くする、発売日を決める、新しい関節をウリにして、僕ら自身の自作自演でとりあえずこれだけ話題にして。今回みたいに物を売るギラギラしたものが一切ないこういうイベントって珍しいと思うんでね。『今日だけ色替えの限定品が……』『アホかー!』ってそういうさもしい心で売るんじゃなくて、まずは僕らのやりざまと『これからこんなん出ますよ』ということを見てほしかったということですね」
――開始1年半で200万個という数字をどうご覧になりますか?
「毎月3万個の新製品を2種類出して、6万個作って『毎月3万個は売るんや!』と。で、もっと売れたセイバーは10万個売れましたというのがあって、自分らにとっては(1種類あたり)3万個という最低限の目標はとりあえずクリアして、大きく200万個という数が出て万々歳やと言うてますけど、僕らがやってた食玩のようなオマケフィギュアからしても、潜在的な人はまだまだ増やせると思うんでね。ただ本来はあんまりメーカーが下品なことを言うたらアカンのですよ。でも『200万個突破ですわ!』ってこれぐらいはっきりリアルな数字を出すのは、世の中の注目というか『そんなに売れてるものなんか!?』ということをお客さんに広げるために、あえて多少僕らも恥を忍んでこんな大きな風呂敷を広げてますね」
――宮脇社長のお気に入りのリボルテックは?
「自分でやってて楽しかったのはつぎに出る(『機動警察パトレイバー』の)ヘルダイバーでね、『パトレイバー』って僕らにとってはもういまから20年ぐらい前にソフビを出してブレイクしたときの記憶もあって。で、ヘルダイバーってミリタリー調だし、今回の小型サイズを山口が作って濃縮されたディテールが入ったんで、ミリタリー模型好きの僕も自分で色塗って楽しんでるんですよ。サンプルにドライブラシして墨入れして『こんなかっこええことになるわ!』って(笑)。サンプルしか触ってないけど鉄人(28号)も結構楽しかったね」
――気が早いですが次回の予定は?
「あんまりやりたないね(笑)。面倒くさがりやから。とりあえずこの次は(2008年2月の)ワンフェスで、ワンフェス以降はまたこれから『北斗の拳』に続く新ラインも機会を見て発表したいと思ってます」
イチ押しのヘルダイバーを手にした宮脇社長。「僕みたいなスケールモデルの人間からしてもかっこええもんが出たのは、ちょっとうれしいなあ」 |
来場特典として配布されたリボプライヤー。リボルバージョイントを扱うのに便利な工具となっている |
新規関節・毎月発売・低価格・高品質・十分な供給数といった数多くの特徴でアクションフィギュアの概念を変え、定番シリーズとなったリボルテック。来年もフィギュア業界の台風の目となりそうだ。