要求されるスキルセット
それでは、それぞれの職種に関して要求されるスキルセットはどうなっているのでしょうか。
ITエンジニアの主要なスキルは、ITSS V2の「ソフトウェアデベロップメント」職種の定義を例にとって見ると、
- ソフトウェアエンジニアリング
- テクノロジ
- デザイン
- 開発方式設計
- 分析・要求定義
- プロジェクトマネジメント
- リーダシップ
- コミュニケーション
- ネゴシエーション
となっています。
一方、ITアーキテクトは
- アーキテクチャ設計
- 設計技法
- 標準化と再利用
- コンサルティング技法の活用
- 知的資産管理活用
- テクノロジ
- インダストリ(ビジネス)
- プロジェクトマネジメント
- リーダシップ
- コミュニケーション
- ネゴシエーション
となっています。
両者を比較してみると、ソフトウェアエンジニアリング職種では、「自分がどうすべきか」というスキルセットになっているのに対して、ITアーキテクトは「設計技法」や「標準化と再利用」「知的資産管理活用」といった、「各担当者(他者)がどうすべきか」ということを明確にするスキルセットが多くなっています。システム/プロジェクト全体を見渡す立場であり、場合によっては企業内システム全体、システム化計画全体を通して調整する立場のITアーキテクトとしては、自分だけでなく他者へ働きかけるスキルが重要であると言えます。
以上のことからITアーキテクトはITエンジニアとは一味違い、総合的な観点からシステム/プロジェクトを見て作業を行う人であることがおわかりになったかと思います。