Vringoは自分の好きなビデオクリップを着信時に表示させる"着ビデオ"のデモを行っていた。これは電話を着信すると、着信メロディーのように待ち受け画面にビデオが再生されるというものだ。しかしVringoは、受信する側がビデオファイルを用意する必要はなく、再生するビデオを発信側から提供できる点がユニークである。

Vringoのデモ。相手に電話をかけると、こちらの送ったビデオが再生される

PCを使い、自作やYouTubeのビデオを相手に直接送信することも可能だ

Vringoを利用するには、相手側にもあらかじめVringoのアプリケーションをインストールし、バックグラウンドで起動しておく必要がある。これで着信ビデオの利用と自動受信が可能になる。次に発信側が自分のビデオを携帯電話で撮影し、それを相手に送信する。相手側ではビデオファイルが自動受信され、こちらの電話番号と関連づけされる。その後相手に電話をかければ、相手側では呼び出し音ではなくこちらの送ったビデオが再生され、着信を知ることができるわけだ。着信側が自分でビデオファイルを用意したり、相手に応じてビデオを選択する必要はない。ビデオを見せたい人が、そのビデオを相手に送るわけだ。なお再生可能なビデオの長さは最大20秒という。

たとえば、自分が電話をかけている姿の動画を相手に送っておけば、相手に電話すると"今、電話をかけているのは私ですよ"といった動画が相手の端末画面に表示され、あたかも自分が画面の中で電話をかけているようなイメージを演出することが可能だ。ビデオファイル形式は3GPのため、PCを使って自作もできる。またYouTubeで公開されているビデオの利用も可能だ。VringoのWebサイトに自分のアカウントでログインし、YouTubeのビデオファイルを選択すれば自動的に20秒にカットされ、3GP形式に変換できる。これをそのまま希望するVringユーザーに直接送信することも可能だ。将来は音楽ビデオの配信によるプロモーションや、広告配信による新しいビジネスモデルの展開などさまざまな分野への展開も期待できそうである。