Forum Nokia Summit 2.0の展示スペースには約30社が出展し、S60向けアプリケーションのデモを行った。エンタテインメントやロケーションサービス、マルチメディアなどテーマごとに分けられた各小ブースでは商談も行われるなど、注目されるアプリケーションが多数展示されていた。今回はその中からユニークなアプリケーションを2つ紹介する。
Sling Mediaは同社のネットワーク対応映像配信デバイス「Slingbox」をS60スマートフォンで利用可能にするアプリケーション「SlingPlayer Mobile for Symbian OS」のデモを行っていた。Slingboxの視聴アプリケーションはこれまでPCやWindows Mobile端末向けのみが提供されていた。S60向けアプリケーションは英国などで3G携帯電話事業を展開するHutchisonのモバイルインターネットサービス「X-Series」向けに提供されていたが、アプリケーションの単体ダウンロードはできず、利用にはHutchisonとの契約が必要であった。今回は単体で提供されるアプリケーションが展示されており、これでS60端末ユーザーも自分の利用する通信事業者や無線LANを利用してTVや映像を視聴することが可能になる。
携帯電話向けのTV/映像配信はDVB-HやT-DMB、ワンセグなどの放送のほか、各国で3G/HSDPA回線を利用したストリーミング放送が提供されている。これに対しSling Mediaは、自宅などに設置したTVチューナー/AV入力を備えるSling Boxをインターネット回線に接続し、外出中にPCやモバイル端末を利用してTVなどの映像を視聴可能にする。すなわち自宅のTVと同じ環境を外に持ち出すことができるわけだ。Slingboxは北米やヨーロッパ、アジアなど各国で発売されているほか、アイ・オー・データ機器から日本向けSlingboxが発売されている。
S60向けのSlingPlayerはWindows Mobile用のアプリケーションと画面構造などは類似しているものの、S60端末のキーにあわせたUIを搭載しているという。また低いCPUパワーやメモリ容量でもスムーズに映像が再生できるような工夫がされているとのことだ。なお、単体での発売時期は未定で、まずは北米やヨーロッパで端末にバンドルする形で提供が行われている。また同社Webサイトからはデモ版がダウンロード可能だ。このデモ版は北米向けとイギリス向けの2種類が提供されているが、どちらも基本エンジンは同じものである。ただし両国のストリーミング回線に最適化するよう、細かい調整が加えられているという。