日本側でPowerPointの開発を行ったマイクロソフトデベロップメントの山岸真人氏。開発秘話を語った |
続いて、マイクロソフトデベロップメント オフィス グローバリゼーション開発統括部 山岸真人氏が「PowerPoint 2007」の開発秘話を紹介。Wordが搭乗した89年当時にはコマンドボタンが50程度だったが、2003では280まで増加。2007では300を超えることが明らかとなった。これだけコマンドが増えると、使いたい機能が見つからないということも起こり、制作効率が低下する。使いたい機能があることを知らないというユーザーも増えてきた。これを回避するために、タブを使って機能を呼び出すメニュー画面へ一新するとともに、一からグラフィックエンジン「Escher」を作り直した。
開発はアメリカで行われたが、日本人にとってはそのままでは使い勝手が悪い点があった。ユーザーのデータを分析した結果、削除、コピー、貼り付けなどの一般的な機能のほか、日本人は印刷、書式設定などをよく使い、アメリカ人は"前のスライド"や"新しいスライド"といった画面に映し出す使い方が主流であることが判明。日本でも使いやすくするため、解像度を上げるだけでなく、印刷スピードをアップ。データの中身だけでは限界があったため、グラフィックエンジン「Escher」の調整を日本で行うことで、2003と同程度の印刷スピードを確保した。また、テンプレートも四角を多用したものばかりだったため、日本で"○"を使ったものを用意したという。
このように大幅な変更を行い外部調査会社にリサーチしてもらったところ、慣れの問題はあるものの4時間程度使えば作業時間が半分以下になるなど、作業効率の大幅な向上につながっているとした。
最後に懇親会もあり、実際にPowerPointの開発者や宣伝担当者と直接話ができる機会が設けられた。今回のようなイベントを12月2日、12月22日にも開催。すでにプランニングが始まっている次期バージョンについて、参加者との意見交換も検討しているとした。