Googleが描く理想の世界は?
AndroidとOpen Handset AllianceでGoogleが描く理想の世界はなにか、それは「どこでもGoogle」だ。Googleは広告モデルで収益を得ている。多くのユーザがインターネットを活用すること、そして長い時間同社のサービスを活用することがその鍵となる。それを実現するには(1)インターネットへ接続する機会やデバイスを増やすこと、(2)使いつづける魅力的なサービスを提供すること、が重要になるというわけだ。
オープンソースでプラットフォームを提供することは、同社のサービスのマッシュアップを容易にする狙いがある。PCを使っている場合、Googleの提供しているWebサービスをマッシュアップして新しい価値を創出することが容易にできる。モバイルデバイスではサービスそのものに制限もあり、そうしたマッシュアップができないことも多い。
GoogleはAndroidを提供することでマッシュアップ可能なプラットフォームを広く普及させ、PCとモバイルデバイスの垣根なくWebサービスのマッシュアップを可能にすることを狙っている。
Open Handset Allianceに賛同する企業が得るものは?
Open Handset AllianceやAndroidに賛同する企業は、共通のプラットフォームを得ることで多くの利点が見込める。標準化にかける手間や開発費用を削減でき、その分を新しいサービスの提供や利益にまわせるというわけだ。
モバイルデバイスの性能は向上し続けているが、これまでソフトウェアには共通性がなかったため開発は楽なものではなかった。ソフトウェアベンダは複数の開発を実施する必要があり、体力がなければ特定のメーカやキャリアのサービスだけにしか対応できない。これが共通のプラットフォームということになれば、今までよりは開発が楽になるというわけだ。
共通のプラットフォームはユーザにとっても利益になる。ソフトウェアやサービスの選択の幅が広がるからだ。Mobile Firefox構想が発表されているように、携帯で使うWebブラウザを自由に選べる可能性だってでてくる。ベンダやキャリア、メーカにしばられたソフトウェアと自由に選択できるプラットフォーム、どちらがユーザにとって利益があるかという話になってくるわけだ。