健康や美容のために、ランニングを日常的に楽しむ人たちが増えてきている。運動は苦手だが、唯一"運動神経が問われない"スポーツだと言われているランニングなら、トライしてみる価値はあるかもしれない。そう思い、今回、市橋有里氏など五輪出場経験者もサポーターとして登場するというアディダス ジャパン開催セミナー「アディダス ランニングセミナー」に参加してみることにした。

アディダス ジャパンによる「アディダス ランニングセミナー "キミが目指すゴールへ ~速く、楽しく、美しく~"」はパシフィコ横浜にて4日、開催された。同セミナーはランニングが趣味という人のほか、開催まで1週間と迫る「第27回横浜マラソン大会 (11月11日開催) 」の参加者へ向けたもの。セミナーは、第一部が講義形式、第二部が臨港パーク周辺を希望者が走る実践形式となる二部構成で行われ、約250名が参加した。

セミナー会場の様子。大型スクリーンに映し出し、ストレッチ方法が説明された

第一部のセミナーでは、フィジカルトレーナーとして活躍中の中野ジェームズ修一氏が、故障をせずに楽しく走り続けるためのトレーニングとストレッチ法を伝授。その他、高橋尚子選手等の食事サポートをしてきた管理栄養士の金子ひろみ氏が登場したりするなど、初心者から熟練ランナーまで興味深い内容となっていた。ちなみに、疲労に効果的なメニューは「ビタミンB1が豊富な豚肉を使用したしょうが焼きや餃子」(金子氏)だという。これなら家でも簡単に調理できそうだ。

腰椎のカーブのチェックや肩甲骨のストレッチの方法など、実用的なアドバイスが多く、参加者も熱心に耳を傾けていた

クールダウンストレッチの例。「いちばん最初にインパクトを受ける部分である足裏のストレッチは必須です」(中野氏)とのこと

シューズ選びのポイント

セミナーでは、「ランニングをサポートする正しいギア(シューズ・ウェア)の選び方」として、同社商品企画担当の宮川憲二氏が「靴選びのポイントは、まずミッドソール(中板)の厚さをみること」と説明した。ミッドソールが厚いほど、足を守る効果が高く、逆に薄いほどスピードを出せるという。タイム向上を目指すときは薄いものにし、トレーニングは厚いものに、というように目的に合わせたシューズ選びができるそうだ。

2007年9月に開催されたベルリンマラソンで、エチオピアのハイレ・ゲブレセラシエが日本人のために開発されたシューズ「adizero(アディゼロ)」シリーズの「adizero CS」を履き、世界記録を樹立しているという

3,000mやハーフマラソンなどで活躍する福士加代子選手もトレーニング時に使用しているという「adizero TEMPO(アディゼロ テンポ)」。ミッドソールが厚く、足にやさしい構造を持つ

第一部ラストでは、スペシャルゲストとして、スポーツジャーナリストの増田明美氏、シドニー五輪女子マラソン代表の市橋有里氏、トライアスリートでスポーツナビゲーターの白戸太朗氏によるトークセッションが行われた。体脂肪率が増え、"ブタ田明美"と呼ばれてしまった話など、増田氏の巧みなトークに会場では笑いが起こる。もちろん、マラソン時に疲れた際の「腕ふり」の重要性を説くなど、現役時代を髣髴させるコメントもあった。3者とも、「最近は街中でランニングを楽しむ人が増えている」と、マラソンブームの到来に期待をよせていた。

写真左より、白戸太朗氏、市橋有里氏、増田明美氏

縦にピンクのラインが入ったウェアを着る市橋氏。それを見て「最近、おしゃれなランニングウェアも増えていますよね」と増田氏