「今度ヨンが東京に来るんですが、秋葉原にでも行きませんか?」

Opera Software東京オフィスからこんな連絡があった。ヨンというのはほかでもない著名俳優のペ・ヨンジュン……ではもちろんなく、同社CEOのJon S. von Tetzchner(ヨン・フォン・テッツナー)氏である。Opera 8が4日間で100万ダウンロードを達成したときには冷たいフィヨルドを泳ぎ、この6月には日本のユーザーミーティングにビデオチャットで特別ゲストとして参加するなどフレンドリーなことで知られる同氏だが、聞けば、日本に来る度に必ず秋葉原に出向き、デジタル機器を買い込むのだという。そういうわけで、今回特別にTetzchner氏の「アキバ詣で」に同行させていただいた。

2日連続でアキバを訪れていたTetzchner氏

秋葉原駅電気街口に登場したTetzchner氏。手にするのはOperaを搭載するAdvanced W-ZERO3 [es]

連休中の秋葉原は大変な人出で、待ち合わせ場所の秋葉原駅電気街口は混雑していたが、背の高いTetzchner氏は一目で見分けることができた。秋葉原に来るのは5回目で、今回はデジタルカメラなどを探しているとのことだったが、なんと、この取材の前日も秋葉原に来て買い物の下見をしていたという。

かつてはInternet ExplorerやMozillaに続く「第3のブラウザ」などと呼ばれることが多かったWebブラウザ・Operaだが、いまでは携帯電話・PHSやゲーム機など向けの組み込みブラウザとしての認知のほうが進んでいるかもしれない。CEOが店先でOpera搭載機器を確認する姿をOpera東京スタッフが撮影しようとしたが、これもTetzchner氏は下見済みだったようで、「Wiiはすぐそこで、ニンテンドーDSのブラウザは向こうの店で売っていたよ」と先に立ってあちこちの店に立ち寄り、むしろ我々のほうが秋葉原を案内されているような状態だった。

早速Wiiを発見。ちなみにニンテンドーDSは自宅に3台あり、3人のお子さんがそれぞれ使っているという

シックなジャケット姿でアキバに現れたTetzchner氏だが、この日はかなり残暑が厳しく暑そうだった

PCのパワーユーザーにはおなじみの、アキバらしいパーツ街へ

駅周辺や中央通り沿いでゲーム機や携帯電話を見た後は、自作ユーザーにはおなじみの、中央通りから少し西側に入ったPCパーツ街へ向かう。このあたりでは店頭に中古品やジャンク品もずらりと並べられているが、Tetzchner氏によると、こうして中古のPCやパーツを街でいつでも購入できること自体が、オスロ(Opera本社のあるノルウェー首都)では考えられないという。自作用のパーツを取り扱う店はいくつかあるが、それでもすべて新品で、中古市場自体が存在しないという。また、製品によってまちまちだが、この手の商品の価格をオスロと比べると、ざっと見て秋葉原は「半額くらい」で、わざわざ免税店を探さなくても十分魅力的な価格で買い物ができるということだ。

何か秋葉原ならではの面白いお店はないかと思いながら歩いていたところ、キーボードを数多く取りそろえたクレバリー2号店の前を通りかかった。メカニカルキーボードを使っているがそろそろ新しいのがほしいというTetzchner氏、しばらく店内を物色し、手頃な値段で買える1枚(センチュリー CK-KK108FS)を選んだのだが、たまたま英語配列モデルが売り切れで、日本語配列のものしか在庫がない。しかし、「ノルウェーのキーボードもどうせ英語配列とはちょっと違うから、日本語でも問題ないさ」と気にせずそれを購入していた。日本人でも中国語キーボードをおみやげに買ってくるようなことがあるが、そんな感覚だろうか。

日本語配列のキーボードを気にせず購入するTetzchner氏

その後も、メモリーカードや、アウトレット品が安く販売されていたデジタルカメラ(カシオ EXILIM EX-Z700)などを購入。また、出張先で映画のDVDを購入することも多いということで、日本のディスクが再生できてPAL出力に対応したDVDプレイヤーも買い求めた。HDMI出力が付いているものだったので、大画面の薄型テレビが自宅にあるのか尋ねると、「いや、使っているのはプロジェクター。画面のサイズと価格を考えると、それが最もコストパフォーマンスは高い」とのことだった。

途中に自販機で買ったドクターペッパーを片手にメモリーカードの品定め

メニューの表示言語を変更できるか東京オフィス広報の壽氏が確認している