PT/Expo Comm Chinaには多数の中国メーカーが出展している。会場を回って見かけた中国ならではの面白端末、気になる端末をいくつか紹介しよう。

音楽プレーヤースタイルのPIKE。本体上部のBRANDの部分には相手先のブランド名が入る

ODMメーカーのTechFaith Wirelessが展示していたUSBタイプのデータ通信モデムはかなりユニークな存在だ。「PIKE」という名称のこの製品は、単体でW-CDMA/HSDPA(1900または2100MHz)、GSM(900/1800/1900MHz)に対応した通信モデムだ。しかし本体には円形の表示ディスプレイと数字キー2組が3段に配置されており、これ単体で携帯電話としても利用できるのだ。600mAのバッテリーを内蔵し、PCのUSBポートに接続しながら充電も可能。すなわち別途ACアダプタを必要とせず、普段データ通信に利用している間に自動的に充電されるわけだ。

機能は音声通話とSMSのみに加え、220MBの内蔵メモリを持ち音楽再生にも対応している。ノートPC用に利用するUSBモデムを緊急時に携帯電話として利用するほか、普段は音楽プレーヤーとして首などからぶらさげておき、必要時に電話やモデムとして利用する、といった使い方などが想定される。

ノートPCなどとUSBケーブルで接続しHSDPA対応の通信モデムとして利用できる

ブラックやグリーンなど様々なカラーサンプルも用意。スペックを見るとHSDPAは下り最大7.2Mbpsの速度に対応する

なお同社は日本市場にも進出しており、一例としてNECのドコモ向け端末「N600i(SIMPURE N)」をデザインしたことがある。他にも展示されていたODM端末の多くはW-CDMA/HSDPA対応品であり、今後いくつかのモデルが日本市場向けに投入される可能性もあるかもしれない。紹介したPIKEもデータ通信に特化したMVNOなどが採用したら面白そうだ。

同社は中国でも最大規模のODMメーカーであり、W-CDMA/HSDPA、CDMA2000、GSMなど多数の製品をデザイン、設計している

チョコレートっぽい端末が勢ぞろい

LGブースではチョコレートフォンの展示は奥のほうにわずかなスペースがあるだけだった

昨年大ヒットしたLGの「Chocolate(チョコレート)」フォン。本家LG電子ブースではチョコレートフォンの展示は少なく「Shine」が今年の顔となっているが、市場ではまだまだチョコレートフォンの人気は高い。それにあやかろうとチョコレートフォンの光沢あるブラックボディーと赤く光るセンサーボタンのデザインを真似た端末が数社から展示されていた。

Amoiの「E870」は大きめのチョコレートデザイン。しかしその中身はWindows Mobileを搭載したスマートフォンであり、スライド式のQWERTYキーボードを備えるパワフルなマシンだ。閉じたときの雰囲気などはかなりオリジナルに近い。また中国版PHSの小霊通にもチョコレート風な端末があるようだ。OKWAPの「OK830」はシルバーの帯の巻かれたチョコレートフォン・スペシャルエディションのデザイン。UTStarcomの「G50」はデザインはチョコレート風だがタッチセンサーボタンまでは搭載できず、赤いパーツでそれらしく見せている。

大きめなチョコレート、Amoi「E870」。ここまで似せているのは問題が生じないか、やや疑問に感じるところではある

OKWAP「OK830」(左)とUTSarcom「G50」(中)は小霊通端末。いずれもチョコレートらしさを出すのに苦心しているようだ。右はNTTドコモが展示していた「L704i」。もちろんこちはLG電子オリジナルのチョコレートフォン