携帯電話のサービスでは日本と韓国が世界をリードしている。この両国で携帯電話事業最大手の、NTTドコモとSK Telecomがそれぞれ最新サービスなどを展示していた。
NTTドコモブースでは、日本で現在提供されているサービスのデモを多く展示していた。展示の中心は非接触型IC技術を利用したおサイフケータイ関連で、多くのスペースを割いて様々な実例を紹介していた。コンビニエンスストアでの支払いや切符、アパートの鍵など、携帯電話が現金や鍵代わりになるデモには多くの来訪者が注目していた。
中国では列車の切符を購入するのにも駅の窓口で長時間並ぶことが必要であったり、スーパーや商店での買い物のため細かい硬貨や紙幣を常に持ち歩くことが日常的であるため、それらが携帯電話で代用できる技術には大きな関心が寄せられていたようだ。なお、大都市ではバスや地下鉄などで非接触型ICカード乗車券の普及がはじまっているため、おサイフケータイの"かざして支払い"という操作そのものには慣れている来訪者が多かったのが印象的であった。
一方、日本に居住している日本人には普段なじみの薄いサービスだが、海外からの日本国内ローミング受け入れサービスの案内も行っていた。日本は2G時代にGSM方式ではなく独自のPDC方式を採用したことから海外との電波方式に互換がなく、海外では"日本は国際ローミングを利用できない国"として認知されてしまっている。その後NTTドコモはW-CDMA方式を採用したが、GSM採用国の利用者がW-CDMA端末を使い自分の電話番号をそのまま日本で利用できるということは、ほとんど認知されていないのが実情だ。会場では海外からの渡航者に成田空港などでドコモが貸し出すLG電子のW-CDMA端末を展示し、これに中国移動(China Mobile)や中国聯通(China Unicom)のSIMカードを挿入すればそのまま日本で使えることを説明していた。
ほかには日本で発売中の端末の展示もあったが、機能は高いものの端末デザインの嗜好の違いなどから反応は今ひとつであったようだ。最も人だかりができていたのは携帯ゲームの体験コーナーで、こちらは終日来訪者が絶えなかったようである。