台湾のOKWAPは中国市場への参入は遅めであり、GSM端末をを毎年数機種ずつリリースする程度で、販売シェアは微々たるものであった。台湾や中国で人気の女性アイドルを広告に起用などしたものの、シェアを伸ばすには至らなかったようだ。このため同社は自社の得意分野に集中することとし、現在は2つの分野で中国市場に挑んでいる。
1つは中国版PHS"小霊通"の端末だ。同社の母国台湾でもPHSサービスが展開されているが、販売されているPHS端末は日本メーカーに代わり今ではほとんどが同社製である。同社は台湾PHS市場参入により得たノウハウを利用し、PHS端末の拡販のために中国小霊通市場に参入。現在は小霊通端末の主力供給メーカーとして、当初から参入していた中国メーカーをしのぐまでに成長している。小霊通の販売店に話を聞くと、同社は多数の端末を提供している上に中国メーカー品と比較して品質、デザイン、機能に優れていることが消費者に大きく受け入れられているとのことだ。
最新端末「E740」は見たデザインがMotorola RAZRライク。小霊通ユーザー向けにもスタイリッシュな端末を投入している |
北京市内の少霊通ショップ。壁にはOKWAP製品のパッケージがずらりと並べられている |
またアジアで人気の日本のキャラクターを利用した端末を毎年投入し、"キャラクター端末と言えばOKWAP"と認知されるようにもなっている。いずれの製品もライセンスを取得した正規のものだ。外見だけではなくメニューなどにもキャラクターを登場させるなど凝った作りとなっており、派手なパッケージなどから人気商品にもなっている。そしてこのキャラクター端末は小霊通にもあり、小霊通の端末バリエーションを広げることにも一役買っているようだ。中国でもキャラクター商品は今後ますます需要が伸びることが予想されるが、人気のキャラクターを早期に押さえたことは同社の今後の強みになっていくだろう。