DirectX 10/SM4.0ハイエンドパフォーマンスが2万円台で入手できる衝撃
製品はビデオメモリ容量の違いによって2タイプがリリースされる。1つは下位モデルとなる256MB版、もう一つは512MB版の上位モデルだ。ビデオメモリはGDDR3 SDRAMで標準仕様の動作クロックは1.8GHzデータレート、900MHz駆動となるが、GPUコアの動作クロック同様にビデオカードベンダーによってより高速なコンフィギュレーションの製品や、あるいは場合によって遅いコンフィギュレーションの製品の投入もあり得るとしている。
「GeForce 4 Ti4200を覚えているか。あれはDirectX 8世代GPUだったが高速なDirectX 7世代GPUとしても人気を博した。GeForce 8800 GTは高速なDirectX 9世代GPUとしての魅力も兼ね備えている」とNVIDIA CEOのJen-Hsun Huang氏 |
NVIDIAが想定する価格は512MB版がUS$249~259程度、256MB版がUS$199前後で、ハイエンドクラスのパフォーマンスのビデオカードが2万円台から3万円台で購入できることになる。
技術的視点から見ればGeForce 8800 GTはGeForce 8800 GTX/Ultraの製造プロセスリファイン版で、パフォーマンス的にはデチューン版という位置付けの地味な製品だが、DirectX 10世代/SM4.0対応GPUのハイエンドパフォーマンスをより多くのユーザーへ普及させる意図を持った非常に戦略的な製品だ。
DirectX 10は2007年1月に発売されたWindows Vistaによってユーザーの元へ届けられたが、ゲームプラットフォームとしてのDirectX 10本格始動は「CRYSIS」(CRYTEK)をはじめとしたDirectX 10対応PCゲームが登場するこの2007年末からという見方が強い。また、DirectX 10完全対応ではないが、高いDirectX 9/SM3.0パフォーマンスを要求する「Call of Duty 4:Modern Warfare」(Activision)なども登場する。
より高いDirectX 10/SM4.0パフォーマンス(あるいはDirectX 9/SM3.0)が要求されるこのタイミングで、手の届く価格帯でハイパフォーマンスなGPUが発売されるのは、PCゲームファンにとってはまさに「渡りに船」といった境遇だ。
GeForce 8800 GTには、古くはGeForce 4 Ti4200、最近ではGeForce 7900 GSのようなヒット商品となる予感がする。
(トライゼット西川善司)