この日は「Yahoo!ケータイ」の検索サービスについても新機能が発表された。芸能人の名前を検索するとその芸能人が写っている画像を表示したり、地名を検索するとその周辺の地図を表示したりと、利用者が求めていると考えられる情報を通常のサイト検索結果の上に優先して表示する。現在対応しているのは画像、地図のほか、「天気」「台風」「駅名」「路線」「占い」「レシピ」で、今後も順次機能追加を行っていく。
Yahoo!ユーザーにはソフトバンク携帯がベストと話す孫社長 |
ヤフーは、iモードやEZwebからも利用できるモバイル版サイトを提供しているが、今回発表された新機能が使えるのは当面ソフトバンク3G携帯電話のみといい、ヤフーのサービスをソフトバンク携帯電話の強みとして戦略的に利用する形となる。孫社長は「Yahoo!ケータイのサイトは僕自身が一文字一文字までこだわり抜いて作ったもの。ヤフーが作ったというよりは僕が作ったものなので、そのままの形で他社に提供できるものではない」と話す。
将来的には、一定の期間をおいた後にヤフーのサービスとして他社向けサイトにも同機能を提供する可能性はあるが、それでも加入者情報などと連動したサービスは同じソフトバンクグループであるソフトバンクモバイルとヤフーの間でしかできないとし、「Yahoo!ユーザーにとって一番使いやすい携帯電話はソフトバンク」(孫社長)という枠組みを作っていく方向を一層強く示した。
音楽配信対応とリアルタイム対戦ゲームの追加
そのほか、コンテンツ関連の新サービスとして、Windows Media Audio(WMA)形式のファイルを利用する「S!ミュージックコネクト」と、通信のレスポンスを改善しリアルタイムの通信対戦が可能になる「高速オンラインゲーム」が発表された。
S!ミュージックコネクトは、「mora win」ほか一般のWMA形式音楽配信サイトが利用可能なサービス。楽曲の購入・管理は無償公開される専用ソフト(Windows XP/Vista対応)を使って行い、USBケーブルで接続した対応携帯電話に楽曲を転送すれば、外出先で携帯電話を音楽プレイヤーとして楽しむことができる。発表資料によれば配信されている楽曲数は約450万曲だが、これはさまざまな音楽配信サイトで提供されている楽曲数をソフトバンクモバイルがまとめたものだ。
携帯電話自体で音楽を購入するサービスではなく、購入した楽曲を着信メロディとして設定することもできないので、あくまでも携帯電話をポータブル音楽プレイヤーとして利用してもらうための施策といえるが、音楽コンテンツに弱いと言われていたソフトバンク携帯電話に一定のサービスを用意したことになる。対応機種は今回発表の920SH/820SH/821SH/822SHで、920SHの発売(11月中旬以降)と同時にサービス開始となる。
高速オンラインゲームは、これまでWeb閲覧などと同じHTTP上で行っていたゲーム中の通信を、直接TCP/IPで行うことでレスポンスを高め、リアルタイムでの通信対戦などを可能にしたもの。「機動戦士ガンダムネットバトル」「対戦☆ボンバーマン」などのタイトルが用意され、12月3日以降順次提供される。
HTTP通信ではひとつのデータを送信するごとに新たなセッションが生成されるので、1回のデータ送信のあと次に送信できるようになるまで2~3秒の間隔が必要だったが、新しい方式ではセッションを保持したまま次々にデータを送信可能なため、間隔を0.5秒以下に短縮できたという。対戦相手の動きがコマ送りのようになる、キャラクターの位置が飛んでしまうといった現象が解決され、より快適にゲームを楽しめる。高速オンラインゲーム対応機種はすでに昨年春頃から順次発売されており、今年の冬商戦向けモデルもあわせて40機種あまり。ただし、機種毎のグラフィック性能やディスプレイサイズに違いがあるため、個別のゲームタイトルごとの対応機種は異なっている。