コンパクトは一発勝負
コンパクトカメラは、一眼レフよりも性能が良くないといけないと思う。コンパクトで一番多い被写体は記念撮影だろう。記念撮影はたいてい1回のポーズで撮影は終了。確実に1回でキレイな写真が撮れなくては場が白けてしまう。三脚を使ったり、露出をバラして撮るなんてことも普通はしない。他人にシャッターをお願いする場合もあるので、露出補正などの細かい設定もできないこともある。つまりシャッターボタンを押すだけでキレイな写真が撮れなくてはダメなのだ。
F50fdはそういった意味でよくできている。基本性能が高く、標準状態のままでもキレイな絵を提供してくれる。高性能な顔認識機能なども正解だと思う。人の顔などもとてもキレイに撮影できるし、色再現も良いので花の撮影などにも適している。
F50fdは"写真を趣味としている人に向けたカメラ"とのことだが、それはコンパクトカメラの使い方をベースに、もう少し踏み込んで撮影できるかどうかなのだろう。そういったときに「絞り優先」「シャッタースピード優先モード」はとてもいい。コンパクトなので開放にしてもそれほどボケるわけではないが、一眼レフを使っている人には理解しやすいと思う。
もちろん設定を変えて撮ろうとしたときにはいくつか気になることもある。高感度時のノイズはもう少し減らしてほしいし、絞り開放で撮るとISO 100でもオーバーになってしまうことがあったので、ISO 50のような低感度も欲しい。メニュー構成やボタンなどの操作性もうちょっと…と思った。それでも何も考えずにシャッターを押して、これだけキレイに撮れることを思えば、それは些細なことなのかもしれない。
電球に照らされた卵焼き。しっとりとした色のりになった |
築地市場で撮影。蛍光灯と電球が混ざったミックス光だが、オートホワイトバランスの性能は良いようだ |
マクロモードのナチュラルフォトで撮影。赤系の花は色が浮きやすい傾向だが、落ち着いた忠実な色に再現されている |
撮影距離は30cmほど近づいてマクロモードで撮影。花びらの陰影が柔らかく表現されている |
落ち着いた印象の仕上がり。レンガひとつひとつが解像され解像力が高いことがわかる |
ISO 1600で撮影。「高感度オート(ISO 800)」で最高感度を設定しておいたほうが良かった。シャドウ部にかなりノイズが乗っている |
柔らかい光の雰囲気が撮影できた。シャドウ部分は暗いが階調は残っている |
ISO 1600で夜間に撮影。ノイズはかなり目立つがシャッタースピード1/6秒でもブレは抑えられている |
暗い境内で猫を撮影。影にノイズが発生しているが、朱色の床や猫の毛色などは忠実に再現されている |
ナチュラルフォトはISOは「オート」固定なので、ノイズが気になるときが感度に上がってしまうこともある |
撮影・レポート:加藤真貴子(WINDY Co.)