防災訓練終了後に、NTTドコモネットワーク本部長 二木治成氏より挨拶があり、二木氏は「ヘリコプターに搭乗し、上空から移動通信車を見た際、胸がジーンと熱くなった。通信を預かる当社の責任の重さを感じた」「この、小さなケータイを使って大きな安全と安心を提供していきたい」と携帯電話を片手に語った。
なお同社は、7月に発生した新潟県中越沖地震の際も、災害時の通信手段を確保するために様々な措置を行っている。同地震発生直後は、被災者の安否確認を目的とする発信数が平常時の何倍にも膨れ上がった。同社は、通信の集中によるネットワークの障害を防ぐため、ユーザーの通信を一部コントロールする通信規制を行った。また、停電の影響により電力供給が断たれた基地局に対しては、上記の訓練と同じく、移動電源車・発動発電機による通信機能の確保を行った。加えて、被災者の支援活動として41の避難所に無料で使える携帯電話を計86台、39の避難所に無料充電サービスとして携帯電話充電器を計630台配備し、市や消防など公共機関に対しては衛星携帯電話を21台貸し出した。そのほか、地震発生直後から「iモード災害用伝言板」を運営し、メッセージ登録件数は約58,000件、メッセージ確認は約49,000回の利用があったと発表している。
防災訓練終了後には、NTTドコモの通信技術を使用したソリューションシステムの紹介、デモンストレーションも行われた。ヘルメットに映像と音声の処理・通信制御を行う「FOMA AVユニット」とカメラを搭載し、現場の映像をテレビ電話にてPCや携帯電話(FOMA)へ映像配信できる「Uメット」のほか、衛星電話(ワイドスター)・無線LANアクセスポイント・FOMA/無線LANデュアル端末(N902iL)の3つを組み合わせることで、1台の端末でFOMA回線通話/衛星回線通話/無線LAN環境下の内線通話が可能な「デュプレスター」システムなどの展示が行われた。
そのほか、FOMA高速データ通信と高圧縮コーデック(H.264)により、災害現場等の状況を高画質な映像と音声でリアルタイム送信することが可能な「FOMA映像転送システム」、一度に18台の携帯電話の充電が可能な「災害時用モバイルチャージャー」、ソーラーパネルをジュラルミンケースに内蔵したポータブル太陽光発電器「SOLA・UNAGI」などの展示も行った。