NTTドコモは19日、埼玉スタジアム2002内の特設会場にて、「NTTドコモグループ総合防災訓練」を行った。
1999年より災害対策基本法に基づく指定公共機関に指定されている同グループは、設立当初より、災害時の通信を確保するために「システムとしての信頼性向上」「重要通信の確保」「通信サービスの早期復旧」を災害対策の3原則として定めてネットワークの設計・運用を行っており、災害時の通信サービスを確保するために行政機関や地方自治体と連携し、様々な取り組みを行っている。今回の防災訓練もその取り組みの一環として毎年行われている。
埼玉県内において震度6強、マグニチュード6.9の大規模な直下型地震が発生し、地震による無線基地局への商用電源の供給停止、NTT伝送路の切断が多数発生したと想定。移動電源車および移動基地居車によって被災基地局を復旧したほか、被災現場の様子をキャスターが伝えるニュース番組形式の実況中継も行われた。
訓練では、移動電源車、移動基地局車が各7台、白バイの先導で入場し、移動基地局車による通信網の回復、移動電源車による基地局の電源確保を行った。なお、基地局車の中の1台は衛星通信を利用した車両で、同日初めて一般に公開された。
移動基地局車。NTTドコモは、基地局機能を搭載した移動基地局車を全国に48台配備している |
移動電源車は全国に60台を配備。道路が寸断された山間部など、車両が進入できない場合に備え、人力で持ち運びできる発動発電機も全国に260台配備 |
大型移動電源車。大量の電力を必要とする交換局(ネットワークテクニカルオペレーションセンタービル)に電力を供給する。ビル内には長期停電対策として、商用電源は2系統受電、ビル内は2系統配電となっているほか、自家発電装置を備える |
その後、ヘリコプターによる緊急物資の輸送訓練が行われ、上空よりヘリコプターが到着。衛星携帯電話などの緊急支援物資を被災地に搬入した。
また、災害時の安否確認を登録できる「iモード災害用伝言板」の紹介も行った。「iモード災害用伝言板」は、震度6弱以上の地震など大規模災害が発生した場合、「iMenu」のトップに「災害用伝言板」メニューが追加され、携帯電話で安否確認ができるサービス。