海外の街中で見るiモードの広告

NTTドコモは9月、NokiaのSymbian OSを搭載したスマートフォン(S60)をiモード対応化させるソフトウェアを開発し、海外の通信キャリアへの提供を開始した。海外のiモードは18の国と地域で展開されているが、最近になってiモードサービスの停止を発表する通信キャリアも出てきているなど苦戦が続いている。はたしてNokia端末への対応は、普及の進まない海外iモードの起爆剤になるだろうか。

海外の通信キャリアにとってiモードとは収益増が期待できる夢の技術だったに違いない。携帯電話でコンテンツを販売することにより、ダウンロード時のパケット料金やコンテンツ代金など音声通話やSMSといった従来の収入以外の新たな収益源を得ることができるはずだったからだ。しかも専用の端末はiモードコンテンツ利用に最適化されており、利用者は設定などをする必要なく買ったその日からiモードを即座に利用することができるのだ。

一方iモードのライバルであるWAP(Wireless Application Protocol)は、開始当初こそ端末の性能が追いつかずコンテンツを利用するユーザー数はなかなか増加しなかったが、2003年にボーダフォングループが"Vodafonelive!"を登場させたころから状況は一変する。今や高解像度画面や高速通信に対応した端末が増えており、WAPをベースとしたコンテンツサービスの利用者も年々増加傾向にある。すなわち今ではiモードの優位性はなくなりつつあるのだ。