デスクトップパソコンではオンボードのHDオーディオ機能や、こだわる方ではPCI拡張カードや、USBタイプでも据え置き型のサウンドデバイスを繋いでいることが多いだろう。なので筆者としてはノートブックPCにこのZM-RS6F USBを繋いでみることにした。試してみたノートブックPCは、モバイルノートのThinkPad X40で、内蔵のサウンド機能はSoundMAX。ヘッドホン端子は装備されているがこれは2chのステレオ。内蔵スピーカーに至ってはモノラルだ。
インストール手順は、まずPCのUSB端子にZM-RS6F USBを繋ぎ、次に付属のCDからSetup.exeを起動しドライバとユーティリティをインストールする。そのほかPC側のスピーカー設定も必要だ。まずコントロールパネルのサウンドとオーディオのプロパティを開き「スピーカーの設定」の詳細設定からスピーカーの種類を「5.1 サラウンド サウンドスピーカー」に設定する。次にコントロールパネルに追加された「CMI USB 106 Sound Config」を開き、メイン設定タブにある出力装置のアナログ出力をヘッドホンアイコンから「6」に変更する。これで5.1ch出力が可能となる。同画面の右下には再生ボタンがあり、これを押すと各チャンネルからの音声を確認できる。無事5.1ch再生となるか確認しておこう。
5.1chに対応したDVDソフトをWinDVD 8 Gold(こちらもサウンド設定を6スピーカーに変更)で再生してみると、360度から音が聞えてくるように感じられる出力になった。が……前後の奥行き感はそれほど豊かとは言えない。やはりZM-RS6F USBは前後のドライバー間の距離が近すぎるところがあるだろう。ソフトウェアDSPに手を加えたところでもう少し広がりの感じられる音になる。
ひとつ気になったのは、WinDVD 8 Goldでの5.1ch再生時に途中からノイズがのることがあったこと。突き詰めるとWinDVD 8 Goldにてチャプター移動などのコントロールを加えた直後からノイズが乗るらしいことまではわかり、そうした際にはその都度CMI USB 106 Sound Configから一度6chを解除し再設定することでノイズが消えることも分かった。他のプレーヤーソフトではこうしたノイズは発生しなかったため、考えられる要因としては、低スペックなPCと負荷の高いDVD再生ソフトと組み合わせ時によるものかもしれない。
カジュアルな使い方、ケーブル1本で繋げる手軽さが魅力
ZM-RS6F USBは、まず価格が魅力。例えばオーディオメーカー製のヴァーチャル5.1chヘッドホンでは2万、3万といった価格が一般的で、さらに上を見ればキリがないのがオーディオの世界。1万円前後で5.1chサラウンドを楽しめるのならば敷居も低い。また、ボックス部が小型である点、アンプ不要のUSBバスパワー動作である点は持ち運び用途にも使えるだろう。出張先のホテルでDVDが観たいという時には、ノートパソコンと合わせて旅行カバンに忍ばせておくとより楽しめるかもしれない。普段モノラルやステレオで聴いているノートブックPCであれば5.1chサラウンドになった時の感動も大きい。ほかにも、例えば深夜にFPSゲームやDVD視聴などを楽しみたい場合にも最適だろう。
ただ、オーディオ器機は雰囲気にもこだわるという方には、ジョイントであったりハウジングであったり、もう少しだけ高い質感が欲しかったところではないだろうか。Zalmanはゲーマー向け製品やホームシアターPC向け製品を積極的に展開しているだけに、さらに幅広いラインナップが用意されることにも期待したい。
動作環境 |
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対応OS:Windows XP/Vista |
CPU:ノートブックはPentium III 700MHz以上(1GHz以上を推奨)、デスクトップは同800MHz以上(1GHz以上を推奨)またはCeleron 1.3GHz以上 |
メモリ:256MB以上 |
ほか:USB1.1/2.0互換ポート |