クラブツーリズムは10月2日より、「移動手段の乗り物にも高品質・高付加価値を」との要望に応えた観光バス「ロイヤルクルーザー四季の華」を運行する。同バスは企画型国内旅行の高額商品専門店「四季の華倶楽部」(東京都新宿区)で取り扱われる企画型国内旅行「四季の華」のバス旅行にて使用され、バスというよりは旅客機内のファーストクラスに近いサービスを受けられるという。そこで今回は、同バス運行開始に先行して行われた記者会見、試乗会の内容をお伝えする。
企画募集型のバス旅行というと、手軽で気楽に参加でき、短期間でたくさんの観光地を回るツアー旅行というのが一般的だ。同社でもそういった国内バス旅行企画を展開しているが、旅行客の中には「高額の海外旅行商品のようにじっくり落ち着いた行程で、移動の際もラグジュアリーな空間で過ごしたい」という要望も多かったという。
「ロイヤルクルーザー四季の華」試乗会に際して行われた記者会見では、同社代表取締役岡本邦夫氏が同バスの開発経緯と目標を発表した。「弊社のバス旅行利用者は年間延べ300万人以上に上ることからバス旅行に焦点を当て、高級感を提供できるバスの開発に至りました。同バスの開発に当たって、ご利用が予想される富裕層の意見を参考にし、より快適で高級感のある車内空間の提供と外観ボディの実現を検討してまいりました。車両製作はいすゞ自動車様にお願いし、当初の意図を反映することができたと考えております。また『四季の華』の取り扱い額は年間約25億円に上りますが、ロイヤルクルーザー四季の華での旅行商品のみで年間35億円の取り扱い額を目標にしております」(同氏)。
しかし、バス旅行にとって厳しい調査結果もある。団塊世代を対象とした、同社独自のアンケート調査結果では、全体の約85%がバス旅行を利用したくないと回答。「15%しかバス旅行を利用したくないという結果には危機感を抱かざるをえません。団塊世代をターゲット層と捉え、従来のバス旅行のイメージを覆すような、豪華で快適なバス旅行を提案したい」(同氏)と述べた。
同バスを使ったツアー企画の特徴として(1)ツアーの各定員を30名以内にする(2)ゆとりのある行程(3)ツアーディレクター(添乗員)が全行程に同行し、ゆとりのある上質な旅を提供するとした。同バスでの旅行実施においては、国際興業の専属バスドライバー、バスガイドによって運行がなされるという。なお「四季の華」としては今までどおり、新幹線を利用したツアー企画も展開していくとしている。