消費電力10分の1の公約を早くもクリア
Menlowプラットフォームは、MID市場向けに設計された45nm CPU「Silverthorne」、低消費電力チップセット「Poulsbo」、Wi-FiとモバイルWiMAX機能が統合されたコンボモジュール「Echo Peak」などで構成される。
前日のPaul Otellini氏の基調講演で、ウルトラモバイル向けCPUの消費電力を対2006 UMPCプラットフォームで10分の1にするという公約が、従来の期限の2010年から2008年に改められた。そこで2008年のMID向けCPUであるSilverthorneの消費電力を計測するデモが行われた。すると、2006 UMPCプラットフォームに利用されていた超低電圧プロセッサの5.5ワットに対して、Silverthorneは10分の1の0.55ワットをはるかに下回った。新公約の翌日に早くも達成である。次に負荷がかかると言われるウイルス対策プログラムを走らせたが、それでも0.55ワットを下回る。さらにFlashアニメを再生しても低い消費電力を保ち続けた。
2006 UMPCプラットフォームに搭載されていた超低電圧プロセッサとSilverthorneの消費電力を比較 |
上の赤い線が2006 UMPC搭載プロセッサの5.5ワット、下の赤い線が10分の1の0.55ワット。その下で波打つラインがSilverthorne |
基調講演ではMIDの開発促進を目指したMobile Internet Device Innovation Allianceが発表され、EB、ASUS、BenQ、Quanta、Compalなどが開発中のデバイスが披露された。さらにAdobe SystemsのシニアバスプレジデントであるAl Ramadan氏が登場し、AIR(Adobe Integrated Runtime)でのMenlowサポートを約束した。
Chandrasekher氏は最後に、Menlowで切り込んだウルトラモバイル市場をさらに拡大する次世代プラットフォーム「Moorestown」に触れた。Moorestownは、45nmのCPUコアが組み込まれたSoCと通信ハブで構成され、コンポーネントサイズがMenlowの約半分になる。グラフィックス機能が改善されると共に、アイドル時の消費電力がMenlowの10分の1になるという。
MenlowベースのMIDはUMPCが一回りコンパクトになったようなデザインが多いが、Chandrasekher氏が示したMoorestown搭載端末のモックアップは細長く携帯電話に近いスタイルだった。上映されたビデオでは、iPhoneのように全体がディスプレイでタッチ操作で利用されていた。