先にも少し述べたように、同社のBTOパソコンは性能や品質でユーザーの高い評価を得ているとのことで、松本社長も「ほかのホワイトボックスメーカーと比べて、品質には絶対の自信を持っている。技術・開発には妥協しない」と強く語る。それを象徴していたのが、新山口工場内の一角に設けられた「品質管理課」と「開発技術課」の存在だ。

特別に「品質管理課」の部屋の中を見せてもらうことができた。取材時もちょうど品質向上のための検証の最中

技術陣の品質に対するこだわりは相当なもののようで、松本社長によれば「是非製品化したいと案件を持ち込んでも、うちの技術の品質基準がクリアできないことが多い。よくダメ出しされる(笑)」という逸話もあるほどだそうだ。品質管理課と開発技術課は、まさに同社製品の性能と品質を裏付けるセクションだろう。

「開発技術課」の内部は、企業秘密が含まれていたこともあり、撮影禁止という条件つきで見せてもらっている。内部では、採用前製品の検証であったり、検証ツールの開発、競合製品のベンチマークなどを行なっていた

ほか、カスタマーサポートの充実にも注力しており、問い合わせや意見、苦情などユーザーからの情報を共有し、フィードバックを徹底し、さらなる性能と品質の向上にも努めるているという。

"まじめ"な工場

松本社長は「メジャーがカバーできないニーズに対応したい」という方針を説明してくれた。今後はノートパソコンのラインナップ充実を目指したいそうで、特に、GPUを積んだゲーミングノートパソコンなど、エンターテイメント系パソコンは力を入れている分野だという。

ちょっと面白かった情報共有用のホワイトボード。7番目の項目の「XPでブラックアウトしている時がある。ESC→Winキー→(↑)→Enter→(略)して改善」なんてまるでコ○ミコマンドみたいだ…。工場内にはこういった改善のための細かな工夫が随所に

入り口付近に貼られていた「いいパソコンをつくろう!」の掛け声通り、同社の「いいパソコン」に期待

KOUZIROの製造現場からは、効率や規模を志向しつつも、職人的なこだわりも色濃く感じられるような印象を受けた。"まじめ"な仕事をしているという印象だ。今後も、ユーザーを裏切らない製品を提供し続けてくれることを期待したい。