筆者のような8ビット時代からのPCユーザーは、デスクトップに慣れてからノートPCをサブ的に使用している。だからノートPCと同じパンタグラフ式のキーボードには抵抗があるかもしれない。しかし、今や「プライベートでノートPCに親しみ始め、その後、会社や学校のデスクトップPCを使う」という人も多いだろう。そんなノート出身者にはむしろこのキーボートのほうが違和感なくデスクトップPCを操作できるかもしれない。
逆に、筆者のようにノートPCのキーボードは馴染みにくいという人にも「Bluetooth Elysium」をオススメしたい。その理由は、ノートPCにUSB Bluetoothアダプタを装着することで、フルキーボードでノートPCを操作できるからである。外出時はノートPC本体のキーボードを使うけれど、自宅や会社に「Bluetooth Elysium」を用意しておけば、簡単にフルキーボード環境へ切り替えられる。ワイヤレスでこの薄さなら、使わない時はデスクの浅い引き出しにも収納できる。
一般に、スタイル重視に傾きすぎると使い勝手が悪くなる道具が多い中で、「Bluetooth Elysium」はデザインだけではなく、機能的にも配慮されたキーボードだ。市場価格は1万円以上とキーボードカテゴリの中では高額だが、身の回りのデザインにこだわる人にはお買い得と言えるかもしれない。
ところでこのキーボードについて、筆者はひとつだけ不満がある。カナ文字の表記がないことだ。実は筆者はかな入力派なのだ。デザイン重視で、実態として圧倒的にローマ字入力ユーザーが多いという実情ではしかたないとも思うけれど、カナ入力はカッコ悪い、と切り捨てられたようでさびしい。しかし、カナ入力派には同じデザインのUSB / PS2版「ELYSIUM PK106」がある。ワイヤレスの便利さはないがこちらもオススメだ。