2つのグループに対して、2つの内の1つを選ぶ質問。

グループA

(1) 確実に500ドルを得られる
(2) 50%の確率で1,000ドルを儲けられる

グループB

(3) 確実に500ドルを損する
(4) 50%の確率で1,000ドルを失う

2つのトレードオフは似ているが、状況は全く逆だ。結果はグループAの84%が(1)を選択した。一方、グループBは70%が(4)を選んだ。これは利得よりも、損失の痛みの方が心理的な影響が大きいためだ。プロスペクト理論と呼ばれる経験則で、利益は確実に得ようとするが、人はより大きな損失の可能性があっても、確実な損失の痛みを避けようとする。

同じパターンで別の質問。600人が住む島で伝染病が広まった。その治療プログラムとしてどちらを選ぶか?

グループA

(1) 200人は助けられる
(2) 1/3の確率で600人全員が助かるが、2/3の確率で誰も助からない

グループB

(3) 400人は死亡する
(4) 1/3の確率で誰も死亡しないが、2/3の確率で全員が死亡する

グループAは72%が(1)を選び、グループBは78%が(4)を選択した。最初の質問に比べると、より明確にポジティブ(助かる)とネガティブ(死亡)が表現されている。そのため、回答者の思考が、その部分に捕らわれるフレーミング効果が加わり、より確実なリスクを嫌う面が強くなった。

攻撃者はターゲットにギャンブルをさせることで罠に陥れる。損失を避けられるように見せかける、または視野を狭くするなど、心理的要因を考慮することで、より攻撃が成功する可能性が高まる。