既報の通り、米Microsoftは23日(現地時間)、.Net Framework上で動作する独自のRuby実装である「IronRuby」のソースコードを公開した。IronRubyは.NET Frameworkの動的言語実行環境「Dynamic Language Runtime(DLR)」をベースとして開発されており、Microsoft Permissive License (Ms-PL)のもとで利用することができる。本稿では、早速このIronRubyを使ってみたい。
ソースコードのダウンロードとビルド
IronRubyはまだ開発途中のプレアルファ版であるためバイナリは公開されておらず、ソースコードを自分でビルドする必要がある。ビルドおよび実行には「Microsoft .NET Framework Version 2.0」が必要。これは再頒布可能パッケージがMicrosoftのサイトにおいて公開されている。まずはこれをインストールしておく。
IronRubyのソースコードは8月末までにはRubyForgeからダウンロードできるようにするという話だが、現時点ではDLRチームのメンバーであるJohn Lam氏のブログ上のエントリより入手することができる。冒頭部分にある「IronRuby source code」というリンクからZIPアーカイブをダウンロードし、これをIronRubyをインストールしたい場所に解凍する。
続いてコマンドプロンプトを立ち上げ、解凍してできたフォルダ(以後、%IRONRUBY_DIR%と表記)に移動する。ここにソースコードの納められたsrcフォルダなどと並んで「Build.cmd」というファイルがあるので、これを以下のように実行する。
%IRONRUBY_DIR%> .\Build.cmd
......省略......
ビルドに成功しました。
0 警告
0 エラー
経過時間 00:00:25.30
スクリプトが実行されて最後に「ビルドに成功しました」と表示されたらビルド完了。
なお、このビルドスクリプトは、.NET Framework Version 2.0のインストール場所が環境変数に設定されていないとうまく動かない。環境変数を設定していない場合は、以下のようにコマンドを直接入力することでビルドできる(.NET Framework Version 2.0のインストール場所は自身の環境に合わせて変更すること)。
%IRONRUBY_DIR%> D:\WINDOWS\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\MSBuild.exe /p:Configuration=Release /t:Rebuild IronRuby.sln
ビルドに成功すると、%IRONRUBY_DIR%にbinというフォルダができているはずだ。%IRONRUBY_DIR%\bin\releaseフォルダに、IronRubyの実行に必要なファイルが納められている。環境変数PATHにこのフォルダを追加しておくといいだろう。