「ワイヤレスジャパン2007」のNTTドコモブースでは、富士通の未発表ノートPCにFOMAユニットを内蔵した製品が参考出展されていた。ドコモではほかにも、開発中のさまざまな技術を出展しており、携帯電話の未来がかいま見える展示内容となっている。
富士通の秋冬モデルにFOMA内蔵、データ定額制も
参考出品として展示されていたのが富士通のノートPC「LOOX」シリーズの新モデル。秋口に発売予定の秋冬モデルで、現時点で未発表の製品だが、すでに発売が決まっているモデルとのことだ。
内蔵されているFOMAユニットは、FOMAハイスピード(HSDPA)に対応しており、下り最大3.6Mbpsの通信速度を実現する。内蔵タイプのため、別途FOMAカードを用意する必要がなく、カードスロットをふさぐ心配もない。アンテナは液晶ディスプレイの額縁部に内蔵したため、外観もスッキリしているのが特徴だ。
FOMAを利用するためのSIMカードはバッテリを取り外した部分に挿入する形で、普段はあまり抜き差しすることはなさそうだ。
11日には、レノボ・ジャパンがKDDI(au)のWINモジュール「KCMP」を内蔵したノートPC「ThinkPad X61/X61s」を発売したが、ドコモではそれに対抗する意味合いもあって参考出展を行ったようだ。ThinkPad X61/X61sでは、PC上から容易にサインアップできる点も特徴とされていたが、ドコモでも同様の仕組みを提供したい考えだ。
携帯電話をPCに接続して利用したときにパケット料金が高額になってしまう問題が、つい先日も話題になったばかりだが、ドコモ側では「定額制が前提」と発言しており、このモデルの発売までには、何らかの定額制を導入することを示唆した。
また、富士通以外のメーカーからもFOMA内蔵ノートPCが登場する模様で、ブースの担当者は「5社」とコメントしていた。
なお、このモデルは個人・法人どちらに対しても訴求していきたい考えだという。詳細なスペックに関してはすべて非公表となっている。
USB型FOMA端末
その隣には、ドコモと韓国KT Freetelで共同調達されるUSB接続型のデータ通信専用のFOMA端末「FOMA A2502 HIGH-SPEED」も展示。PCのUSB端子に直接接続するタイプの端末で、FOMAハイスピードに対応、通信速度は下り最大3.6Mbpsとなる。
3Gの国際ローミングにも対応する予定で、海外でもデータ通信が可能になる見込みだ。現在の仕様は約80(H)×37(W)×12(D)mm、約45gで、対応OSはWindows 2000/XP/Vista。音声通話は非対応となっている。