電池で猛進するスーパーカーが登場
44th Design Automation Conference(DAC)の特別テーマは、「自動車関係のエレクトロニクス」だった。それに関連して、Wrightspeed社の創立者でCEOであるIan Wright氏が「エレクトロニクス:自動車駆動技術を一新するための鍵」と題する講演を行った。
講演を行ったWrighspeed社の創立者であるIan Wright氏 |
同社は電気駆動のスポーツカー「X1」の開発を手掛けている。今回のDACではそのプロトタイプをパビリオンで展示し、その隣のステージでWright氏が講演を行った。
X1プロトタイプは、400V/600Aを供給できるリチウムポリマ電池を電源とし、駆動には三相ACインダクションモータを用いている。モータの最大出力は250馬力で、市販のスポーツカーと同等である。車体は約700Kgと軽いため、時速60マイル(約96km/h)に達するまでにわずか3.07秒、距離にして107mしか必要としない。さらにゼロから時速100マイルまで一気に加速し、そこから減速して停止するまでにたったの11.2秒しかかからない。これは1億円台後半から2億円という超最高級スポーツカーであるBugattiの「Veyron」が記録した9.9秒に次ぐ性能で、ポルシェやフェラーリを凌ぐという。ギアは1段しかない。アクセルを踏み込めば、そのまま最高速度の190km/hまで達する。
X1プロトタイプ |
X1プロトタイプのインダクションモータと後輪部分 |
X1プロトタイプのコックピット |