ホラーは実は苦手
まもなくDVD化されるスペシャルドラマ『怪談新耳袋絶叫編』は、そのタイトルから察せられるとおりホラー作品。見るのも聞くのももってのほかというくらいホラーは苦手だというが、話が来た以上全力を尽くそうと、ここでも持ち前の素直さで役作りを始めた。
「今までずっと避けてきてあまり見たことがなかったので、まず見ようと思って。中田秀夫監督の『女優霊』という昔の作品がすごく怖くて面白いからって友達に教えてもらったんですね。勇気を振り絞ってビデオ屋さんにいったんですが、やっぱりこれを一人で見るのはちょっと……って躊躇して。結局、図書館で見ることにしたんです。明るいし周りに人もいるし(笑)。図書館で借りられたホラー作品が『リング』しかなかったので、『リング』の1、2を見たんですけど、怖かったですね~。でも、面白かったので最後までずっと引き込まれちゃいました。一人でビクッ、ビクッとしながら。映画を図書館で見るときって、画面と椅子が近いじゃないですか。でも、一人だけすごく離れてて、ヘッドホンのコードもピーンってなってました(笑)」
そんな懸命でかわいらしい努力の成果か、ホラー作品への見方に変化が。
「ホラーのイメージとか、どうお芝居すればいいのか、自分の中に少し引き出しが出来てきましたね。台本を読んでみて、ただ怖いだけのものじゃないんだなっていうのがすごくよくわかりました。登場人物の悲しさとか切なさとか、そういう感情がもしかしたら普通のドラマよりも丁寧に描けるんじゃないのかなって。怖いのは相変わらず苦手なんですが(笑)、またホラー作品をやってみたいですね」
2003年にBS-iで放送がスタートしてからシーズンを重ね、映画化もされている『怪談新耳袋』。今回、小出早織は『右 牛おんな』と『左 黒い男たち』という2作品に出演し、短期間で対照的なヒロインを見事に演じ分けてみせた。
「今年の5月に御殿場の方の山の中で、朝から晩まで急ピッチで撮影したんですが、あんなに寒いとは思わなかったですね。体中にカイロを貼ってもまだ凍えていて。1日だけ早く撮影が終わった日があったので、その日は共演者のみんなと鍋を食べましたもん。5月に鍋って……。でもすごく美味しかった(笑)」