「歩く」ことを通して、新しいライフスタイルを提案する「R9プロジェクト(アールナインプロジェクト)」がこのほど発足した。プロジェクトリーダーは、元スキー・ノルディック複合五輪日本代表の荻原健司氏と荻原次晴氏、元ショートトラック・スピードスケート五輪日本代表の勅使川原郁恵氏の3人が務める。荻原氏らは今後、ウォーキングイベントなどへ出演予定。歩くことを通して、「環境問題」を考える、「コミュニケーション」を深める、「健康・美容」を意識して身体を磨くといったライフスタイルを提案していくという。
そこで、プロジェクトリーダーの一人である荻原次晴氏に、プロジェクトの目的や活動内容、そしてウォーキング初心者に向けたアドバイスなどを語ってもらった。
――R9プロジェクト発足の経緯を教えてください
「私は引退後9年間、『夏の山歩き』や『冬の歩くスキー』を一般の方と行うツアーを主催してきました。他2人のプロジェクトリーダーも選手引退後に、一般の方々と楽しめるスポーツの普及を目指し、それぞれ活動を行っていました。そうした共通点が3人にあったので、昨年の年末頃に話し合って、誰にでも簡単に始められる『歩く』ことをテーマにしたプロジェクトを立ち上げよう、ということになりました」
──荻原さんが「歩く」ことを推奨する理由とは何でしょうか?
「歩くことは人間の一番基本的な動作。だからこそ、見つめ直してもらいたいと考えました。いざ『スポーツをする』となると道具を揃えたり、準備が必要になりますが、歩くことは誰にでも気軽に始められるので皆さんにお勧めできる。最近は、ダイエットを目的として、歩くことに興味を持つ方も多いですよね。そうした一般の方達と一緒に活動をしていきたいと考えています。また、歩くことを通じて、皆さんの環境に対する関心を高めていただければと思います。たとえば、朝早く起きて街を歩いてみると、普段は気付かなかった街の様子が目に写ります。回収前のゴミ捨て場が汚れていたり、いかに日中の街が騒音に溢れているか、ということに気付いたり。外に出るきっかけとして、まずは歩くことをお勧めしています」