さて、実際に「Google Earth & Railway」を触ってみた感想だが、予想どおり、非常に精巧でスピードも快適だ。衛星写真の情報は非常に正確なので、国土地理院の2万5,000分の1の縮尺の地図ではズレが生じてしまうが、これは致し方ないだろう。むしろ嬉しい悲鳴では?
とくにJR東日本の線路については、当然ながらパーフェクトな状態で提供される。「Google Earth & Railway」では、JRの路線図は白線で表現されているが、これは線路1本1本の中心線に合わせてデータを構築しているため、本数はもちろん、位置に至るまでまったくズレがないのだ。トンネル部分はオレンジで表現されており、伊豆方面など山の多い地域はもちろん、東京駅近辺の線路の位置関係も一目で把握できる。企業秘密と言っていいほど詳細な線路データがGoogle Earth上で再現されるのは、見た目にも美しく、爽快だ。
気になったのは、新幹線の路線図が未完であること。東海道新幹線はJR東海の業務範囲であるため、その部分がポッカリと抜けてしまっているのだ。非常に残念。いずれ、JR各社との連携で完成する日を楽しみにしたい。
もうひとつ、衛星写真の混在が気になるが、こちらは致し方ないところ。現在、主要部は解像度1mのイコノス衛星画像、それ以外の山間部は15mのNaturalVue日本全国版が使用されている。衛星写真は縦長の帯状で撮影されており、その帯の幅は1本あたり20km。南北へ帯状に撮ったデータの中で天気がいい状態のものを貼り付けている。しかし、地上解像度15mの部分は濃い緑の画像にとどまり、詳細がわからない。当然ながら、イコノス衛星画像が鮮明に見える尺度に近づくと、それ以外の部分はボヤけてしまう。いいものが隣り合わせゆえの贅沢なストレスとはいえ、解消される日を楽しみに待ちたいものだ。その部分にイコノス衛星画像を取り入れると、ハイキングコースなどもリアル確認できるようになるだろうから、それも楽しみだ。