開始からわずか1年3カ月ほどで、500万ユーザーを突破したSNSがある。それが「モバゲータウン」だ。1年3カ月で500万という数字は、国内最大手のSNSであるmixiの倍以上のペース。1日の最高ページビューも4億と、その勢いがうかがえる。
当初モバゲータウンは10代のユーザーを中心に、口コミで一気に規模を拡大した。そのためもあってか、いまだに「子供向けのゲームサイト」という認識の人も多い。しかし、モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーは、今年に入ってテレビCMを大量に投下した。その結果、ユーザー層にも変化が表れ、2007年5月では、20代のユーザーが全体の34%、30代のユーザーも全体の13%と、比較的幅広い年齢層のユーザーが利用し始めている。拙著『モバゲータウンがすごい理由』(マイコミ新書)で述べているように、インターネットを語る上で、もはやケータイサイトは欠かせないものになっているのだ。
とはいえ、そこで行われているコミュニケーションは少々独特なことも事実。そのため、いざ試してみようと思っても、なかなか最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないだろうか? そこで、本稿では、20代後半以上の"大人"がモバゲータウンを楽しむための"歩き方"を紹介していきたい。
まずはアバターをそろえよう
モバゲータウンでは、mixiやGREEといった、PC向けのSNSのように、自分の好きな写真をプロフィールのページに貼ることができない。代わりとなるのが「アバター」だ。アバターとは自分の分身となるキャラクターのようなもの。モバゲータウンでは、顔、髪型、服、アクセサリー、背景といったパーツを組み合わせることが可能となっている。
モバゲータウンでのアバターはいわば自分自身。アバターが下着のままだと、他のユーザーから相手にしてもらえないことも多い。実際、モバゲータウン内では、ユーザー同士がお互いのアバターを評価しあうといったカルチャーも存在する。珍しいアバターを使っていると、「どうやって手に入れたの?」「アバ(アバターのこと)かっこいいね」というメールが届いたりするなど、コミュニケーションも活発になる。
しかし、いきなり個々のパーツを手に入れてアバターをカスタマイズするのは、少々敷居が高い。アバターはモバG(ゴールド)という、モバゲータウン内で流通する架空の通貨で購入するが、開始当初に持っているモバGはわずか500Gだ。そのため、闇雲にアバターを購入していると、すぐに資金不足に陥ってしまう。いざ買ったものの、実際に組み合わせてみたら、「イケてない」という可能性も十分ある。
このような大人が活用したいのが「セット服」だ。セット服とは、いわゆるスーツのような、上着とパンツ(ズボン)がセットになっているアバターのことだ。つまり、これさえ買ってしまえば、わざわざ上下のパーツをひとつずつ買う必要がなくなる。最初からセットになっているので、特にセンスがなくても、自然とオシャレにまとまる。クールビズの季節になると聞こえてくる「毎日服装を考えるよりもスーツの方が楽」という意見は、モバゲータウン内でも当てはまるのだ。
セット服を買ってしまえば、少なくとも"下着の状態のまま"ということはなくなる。これで第一段階はクリアーだ。余ったモバGで背景やアクセサリー、インナーを買ってもよいだろう。とにかく、アバターのセンスに自身がないひとはセット服を買う、これを覚えておきたい。