台湾で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2007にて、新登場となるIntel製チップセットを搭載したマザーボードが各社より出展されている。今回確認できた新チップセットはハイエンドの「Intel X38」、グラフィックス内蔵の「Intel G35」、グラフィックス内蔵廉価版の「Intel G31」など。いずれもIntel P35やG33と同じIntel 3シリーズのチップセットでLGA775に対応し、搭載マザーボードの出荷は2007年の第3四半期以降を見込む。
Intel X38は、これまでBearlake-Xのコードネームで知られていたハイエンド向けチップセットで、現行のIntel 975Xの後継、Intel P35の上位という位置づけで登場することになる。発売時期は前述のとおり今年の第3四半期以降、もしくは未定というおおまかなアナウンスが多かったが、9月登場とより具体的な時期を示すベンダもあった。ブースに動作デモ機が設置されていた例も多く、しかしモノがあるわりには登場時期がぼかされている印象だが、どちらかといえばIntel次第ということだろうか。
スペック面では年初にこちらの特集で紹介した情報から若干の変更があり、メモリサポートがDDR3だけでなくDDR2も可能という仕様となっている。これは今年春のIDFで紹介されていた変更だが、実際に展示されていたマザーボード製品でも、搭載するメモリスロット組み合わせでDDR3専用、DDR3とDDR2を数本ずつ(排他)、DDR2専用といったバリエーションが見られた。基本仕様としては、Penryn(コードネーム)世代の45nmプロセスで製造されるIntel次世代プロセッサに対応し、FSBは1333MHz。PCI Expressのバージョンが上がり、グラフィックス向けにはPCI Express 2.0のx16レーンを2系統搭載。サウスブリッジにはICH9シリーズを接続する。
ちなみに、X38を搭載するマザーボードの価格帯だが、日本円でおおむね3万円台後半から4万円台までと、さすがにハイエンド。ただ、ブースで予価を聞いた際にほとんどのベンダが「未定だが」とか「検討中だが」という前置きをしていたので、ためしに某ベンダの担当者に「DDR3がまだ高いんだから、もう少し安くできないの?」とお願いしてみたところ、「高コストだから難しいし、DDR3を買うユーザーが値段気にするかな? あなただったら買うでしょ?」などと言われてしまったので、「今日聞いた価格から50ドル安かったら買うから、お願い」と答えておいた。機能満載ということもあり仕方ないのだろう。個人的には最上位チップセットでもシンプル構成でお安めの製品が望みなのだが……。
続いてIntel G35だが、これはBearlake-Gのコードネームで知られ、Intel 3シリーズのグラフィックス内蔵チップセットの本命であり、現行のG33のグラフィックス機能強化版。のはずだったのだが、どうやら話はそこまで単純ではないらしい。というのもこのチップセット、搭載製品を見る限り接続されたサウスブリッジが何故か前世代の「ICH8」シリーズだったのである。メモリもDDR2をサポートする製品しか見当たらず、こちらのCeBITレポートで紹介したG33と比べると"はてさて"という状況。G35に関してはこんなちょっと不安になる情報もあっただけに、このあたりは真相がわかり次第、追ってお伝えしたいところではある。
とはいえ、G35の型番がつけられているだけに、内蔵するグラフィックス機能は確かに強化されているらしく、DirectX 10を(ソフトウェア)サポートする「GMA X3500」を統合し、動画再生支援の「Clear Video Technology」なども備えている。ほか、45nmプロセスの次世代プロセッサへの対応なども謳っており、一応はG33の上位版と見て問題はないらしい。ちなみに、1万円台中盤から2万円ちょっとまでの価格帯の製品がメインとなるらしく、どうやらG33に色がついた程度の価格レンジで登場するようだ。
グラフィックス内蔵で廉価版のG31だが、こちらはGMA3100を内蔵しDirect X9をサポート、PCI Express x16を1系統、サウスはICH7シリーズというもの。ほか、Intel 3シリーズでは、ビジネス向けのQ3x系の新顔マザーボードがいくつか出展されていた。