このキーボードの特徴は、キーボード左端と上端に付加されている豊富なショートカットキー群だ。

左端にはインターネット関連のキーがまとめられている。デフォルトの状態で、<ホーム>はブラウザを起動してホームページを表示する。<ライブコール>はWindowsメッセンジャーを起動する。ほかにメーラーやマイドキュメントフォルダを開くボタンがある。メールソフトに関してはファンクションキーにも<新規作成><返信><転送>などが割り当てられている。タッチタイピングに慣れたユーザーは、なるべくマウス操作を避け、キーボードだけで操作を完結させたいから、これは便利だ。

キーボード左端にはインターネット関連のショートカットキーがまとめられている

上端はマルチメディアを再生するためのボタンとユーザー登録可能なボタンがまとめられている。また、アプリケーションを5つまで登録可能なボタンが用意された。これはランチャーとして実に有効な機能だ。PCを長いこと使っていると、さまざまなアプリケーションをインストールする。その結果、スタートメニューが2段、3段となり、使いたいソフトを探しにくくなってしまう。有効な解決策としてはデスクトップにショートカットを置くか、フリーウェアのランチャーを使うことだ。しかし、実際は毎日使うソフトなんてせいぜい5本程度。ならばキーボードからボタン一発で起動できた方がいい。

キーボード上端はマルチメディアを再生するためのボタンとユーザー登録可能なボタンがまとめられている

ボタン類の増加は便利だ。普段使われていないファンクションキーに機能を割り当てたことも良いアイデアだと思う。しかし、あえて苦言を呈するなら、ファンクションキーの配列が使いづらい。

直線配列のキーボードでは[F1]~[F4]、[F5]~[F8]、[F9]~[F12]と4個ずつまとめられている。しかしこのキーボードでは波形に納めるためか、3個ずつの区切りになっている。普段、筆者は文字を入力するときに、数字を半角にするときは[F8]キー、カタカナに変換するときは[F7]キーを多用する。[F8]キーは区切りの横などと、指と目が覚えているので、このキーボードにした途端に[F8]キーと[F7]キーが押しづらくなった。

また、これは特殊な例かもしれないが、筆者は仕事柄画面をキャプチャーする頻度が高い。しかしこのキーボードでは[F Lock]キーを押して切り替えないと[PrtScn]キーが有効にならない。ファンクションキーに多彩な機能を割り当てたために、[F Lock]キーによる切り替えが必要になったための副産物で、かなり面倒だと思った。同様の人はあまりいないと思うし、一般的には使わないと思われる[PrtScn]キーを[Ins]キーに割り当てたことは間違っていないと思える。しかし筆者の使用法には合わない。

[F Lock]キーを押して切り替えないと[PrtScn]キーが有効にならない

もっとも、こうした機能を補う仕掛けもちゃんと用意されている。付属のソフトウェア「Microsoft intellitype」を使えば、ほとんどのキーをカスタマイズできる。これは使い込むほど便利になり、キーボードチューンだけでたっぷり遊べる。むしろ購入したままの状態で使う人の方が少ないのではないか。

付属のソフトウェア「Microsoft intellitype」を使えば、ほとんどのキーをカスタマイズできる