Santa Rosaの発表は日本国内の方が早かったので、ここでは発表会で示されたベンチマークやデモを中心にお伝えする。
まず最初に取り上げられたのが浮動小数点演算性能だ。SPECintでNapaが1.83であるのに対してSanta Rosaは2.55。SPECfpもNapaの2.00をSanta Rosaが2.87と上回っている。今回はユーザー体験がテーマになっていたため、Eden氏は「SPECintはビジュアルコーディングやゲームのAI、SPECfpはスピーチ認識、ウエザー・モデリングなどサイエンティフィック・コンピューティングの差となる」と具体的な説明を加えた。デモとして、シングルコアCPUのSonomaプラットフォームとSanta Rosaで、Excelを使って金融分析プログラムであるMonte Carlo Simulationを実行した。結果は、Sonomaが29.8秒、Santa Rosaはわずか12.5秒で終了した。ほかにもiTunesを使ったWMAからMP3への変換、Photoshop Elementsでの写真のスライドショー作成など、実際のアプリケーションによるパフォーマンス比較の結果が披露された。Eden氏は「われわれがベンチマークを示しても簡単に信じてもらえないのは分かっている。疑うならば、ぜひとも自分たちで試してもらいたい」とパフォーマンスに大きな自信を示した。
Santa Rosa世代からコンシューマ向けのCentrino Duoのほか、「Centrino Pro」というビジネス向けモバイルプラットフォーム・ブランドが設けられる。Active Management Technologyを備えているのが特徴だ。発表会では起動しなくなったノートPCに、IT管理者がリモートからアクセスして問題を発見、無事に起動できるように修正して見せた。
最後にMicrosoftの「Flight Simulator X」を使ったゲーム体験の違いが示された。Sonoma搭載PCとSanta Rosa搭載PCで、同時にFlight Simulator Xを実行。Sonomaでは、フレームレートとレンダリングを同時に処理できず、フレームレートを維持するためにレンダリングが省略されていた。Sonoma搭載PCの画面を見ているだけではゲーム体験のグレードダウンに気づかないと思う。だが、フレームレートとレンダリングを同時処理できるSanta Rosa搭載PCと並べると違いが一目瞭然だった。街の上空を飛んでいる時に、地上の建物や道路がくっきりと表現されていた。
Eden氏によると、1~2週間の間に全世界で100以上のSanta Rosaを搭載したノートPCが登場し、年内に230を超える予定だという。