三維視界伝媒有限公司(以下、「三維視界」と略)はこのほど、知的財産権のあるコア技術を利用し、中国最大の裸眼立体ディスプレイ広告ネットワークを構築すると発表した。
三維視界のコア技術は、IPv6 AUTO 3D立体画像技術だ。この技術は国家発展改革委員会など、中央省庁が共同でサポートしている「IPv6による裸眼立体ディスプレイの研究と産業化」研究プロジェクトの成果の一部であり、世界でもトップレベルに達しているとされている。三維視界は立体画像分野で52件の特許を取っており、当分野のリーティング企業となっている。
三維視界は、大型裸眼立体ディスプレイを30省自治区、300都市、500店舗に計1,000台設置し、一台のディスプレイで毎日5万人をカバーする計画だ。同ネットワークの構築には概算でトータル5億元の投資が必要。三維視界はフランチャイズ加盟店を募集し、一加盟店に数十万元から数百万元を投資してもらうとしている。一方、三維視界は加盟店に対して80%の収益率を保証する。分衆伝媒などの広告メディアと異なり、同ネットワークでは70%の時間に商業コマーシャル、30%の時間を公益コマーシャルに割り当て、放送する予定だ。三維視界は、来る5月11日から3日間、上海で「中国最大の裸眼立体ディスプレイ広告ネットワーク」の説明会を開催し、プロジェクトのプロモーションと加盟店募集を行う。
大型裸眼立体ディスプレイによる広告放送には、これまでのビデオコマーシャルより強いインパクトがあり、視聴者の実視聴時間を2Dディスプレイの2、3秒間から15秒間まで延長できる。このため、分衆伝媒など、従来型2Dディスプレイで広告ネットワークを展開している公衆広告メディアは、裸眼立体ディスプレイのソリューションが本格的な商用化段階に至った場合、きわめて厳しい挑戦に直面することになるだろう。
以上、4つの企業事例だけからみても、中国企業は、立体画像処理技術の開発においてはかなりの独自成果を取得し、世界でも先頭集団にいると言えそうだ。開発成果が本格的な商用化、実用化に至る道筋を見えてきており、今後の動向に業界内外からの注目が集まっている。