自然な再生音やウッドコーン(木製振動板)が醸し出す高級感。発売以来、好評を博している同社のウッドーコーンスピーカーのラインナップに待望の組み立てキットが加わった。小誌でも報じたところ多くの反響があったが、同社によると、2月上旬に発売されるや売れ行き好調で、購入者の要望に応えるかたちで「SX-WD5KT組み立て講座」を開催することになったという。筆者もSX-WD5KTが気になっていたということもあり、この組み立て講座に参加することにした。
ウッドコーンスピーカーキット「SX-WD5KT」 |
さて、筆者が中学から高校の頃はオーディオブームで、内外大小を問わず音響メーカーは活気に満ちており、魅力的な製品をラインナップしていた。また、スピーカーや真空管アンプの自作などといった、ホビー的な製品も充実していて、当時それらにはまった、あるいはまだ若く熱い眼差しで見ていたという、ご同輩や先輩方も少なからずいらっしゃるのではないだろうか。かくいう筆者も、中学生の頃、こうしたオーディオ機器に憧れを抱いていたが、購入できるはずもなく、見よう見まねで廃品テレビのスピーカーと有り合わせのコンパネでスピーカーを作ったことがある。再生機器は筆者が小学生の頃、父親に買ってもらったアンプ/スピーカー一体型のモノラルレコードプレイヤー、これをばらして自作スピーカーのケーブルをハンダ付けして聴いていた。なんともささやかなオーディオセットだが、それでも自作スピーカーから音が鳴り、それがレコードプレイヤー本体のスピーカーよりも音が良かったときには多いに感動した。
ノスタルジックな話になってしまったが、今回、筆者が「SX-WD5KT組み立て講座」に参加する一番のきっかけとなったのは、ウッドコーンスピーカーの音質や質感の高さに惹かれたからだ。説明書が付属しているので、キットを購入して組み立てること自体はさほど難しくはないのだが、ただ組み立てただけで質の高い音が出るわけではない。音作りというか、良い音を出すにはそれなりの知識が必要だ。こだわればきりがないが、それでも納得できる音を出したいという欲望は誰しも持っているだろう。この組み立て教室では、使用するハンダにはじまり、パーツの仮組み、ハンダ付け、吸音材の使用量や使い分け、張り付け位置など、音質を左右するノウハウを、SX-WD5KTの企画開発などに携わったスタッフから直接レクチャーしてもらうことができる。この「音作りのテクニック」を知ることができるのも大きな魅力だろう。さて、次回の組み立て講座開催は、5月19(土)、20日(日)を予定しているそうだが、変更の可能性もあるとのことなので、詳しくは同社イベントページをご確認いただきたい。