「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」では、数多くのPHS端末コンセプトモデルが展示された。いずれも具体的な製品化の予定があるわけではないが、W-SIMなどの登場によって端末開発のしきいを下がってきており、展示モデルの中から実際の商品として発売されるものも出てくる可能性はある。

まず、W-SIMに対応しない端末としては、以下の4機種が展示された。

WZ001 push-up
WZ002 compact-shell
AZ001 data-card for USB
AZ002 data-card for Express

「push-up」は、普段は画面の一部が外から見える状態になっており、ボタンによるスライド動作で画面全域が現れるプッシュアップ機構搭載の小型端末。普段は時計やRSSによるニュースヘッドラインなどを表示しておき、メール作成やWebブラウジングを行う際には画面を出すといった使い方が想定されている。「compact-shell」は女性の手のひらにも収まるサイズを意識してデザインされた小型端末。「data-card for USB」と同「for Express」はデータ通信端末で、次世代PHSの端末イメージでもある。

音声端末のコンセプトモデル2機種、「push-up」(左)と「compact-shell」(上)

アンテナ部が3つに開きダイバシティ効果が期待できるという「data-card for USB」

ロゴマークなどが印刷されている部分を引き出して自由な角度に曲げられる「data-card for Express」

データ通信端末の展示コーナーでは特に通信規格については言及されていなかったが、次世代PHSのデモの中で同方式の端末イメージであると説明された

電話の枠を超えるW-SIM対応のコンセプトモデル14機種

W-SIM対応端末としては、既報のW-SIMスロットを2基備えた「W-ZERO3 future edition」をはじめ、全14機種を展示。「plamo phone」「hard customize」など、12日に喜久川政樹社長が行った基調講演中で触れられたモデルもある。

WP001 W-ZERO3 future edition
WP002 waterproof viewer
WP003 plamo phone
WP004 hard customize
WP005 イエデン
WP006 あんしんバー
WP007 nico.bell
WP008 music headphone
WP009 broadband router W-SIM×4:box
WP010 broadband router W-SIM×∞:connect
WP011 broadband router W-SIM×4:bit
WP012 あんしんタップ
WP013 くまふぉん
WP014 TVめ~る

「plamo phone」は、認証取得が必要ないというW-SIM端末のメリットを強調したもので、プラモデルのように自分でパーツを組み立てて使うというコンセプト。会場には店頭販売時をイメージしたパッケージの見本まで展示されていた。「hard customize」はモジュール化の考え方をさらにを進めたもので、端末をコアユニットとインタフェース部に分離し、インタフェース部は必要に応じてカメラモジュール、GPSモジュール、指紋認証モジュールなどに付け替えることができる。

自分でボディを組み立てることのできる「plamo phone」。販売時のイメージも展示された(右)

SIM STYLEのジャケット部分をさらにモジュール化した「hard customize」。必要に応じて機能を取り換えられる

W-SIMも将来はファミリーを増やし、より高速な通信方式への対応や、機能追加をしたい考え

音楽やネットラジオをストリーミングで楽しむことを想定した「music headphone」