「KX-TS745JP」の外観は、中央の大きなスピーカーと周囲に配置された大きなマイクが特徴的だ。特にマイク部分は「ミッドサイド方式」という「双指向性マイク」と「単一指向性マイク」を直角に設置した形となっている。

「単一指向性マイク」で発言している人の声を拾い、「双指向性マイク」で、発言者以外の方向からくる音(雑音)を感知し、発言以外のノイズ部分を低減させるものである。

こうしたノイズ低減は電話会議では非常に重要で、発言者以外の声や資料をめくる音が入ると、他回線でヒアリングしている他の参加者にとって、その発言が聞き取りにくくなってしまうからだ。なお、四つのマイクの他にコード長2mの外部マイク(別売)を二つまで追加でき、大勢が会議に参加する場合でも、マイクの前に移動せずに発言することが可能となっている。

タバコサイズの外部マイクユニット

マイク付近にはLEDがあり、マイクがオンの時には「緑」、マイクがオフ(ミュート)時には「赤」で示される。この表示機能は会議中には特に重要で、会議中に先方に聞き取れないように内輪での話、いわゆる内緒話ができるかどうかが、はっきりとLEDの表示で分かるようになっている。外部マイクの場合は「ミュートボタン」の周りがLEDになっている。

マイクONでマイク上のランプ、ボタンの周りが「緑」に点灯する

ミュート時は赤で点灯する

現在発売されている他の電話会議用端末では、本体のサイズは別としても、電源を供給するACアダプタや接続ボックスが、かなり大きなものも多いが、「KX-TS745JP」では非常にコンパクトな筐体にまとまっている。実際問題として、会議室に電話会議用端末を常設しておくことができないことが多い。結果として本体を移動させることが多くなるため、こうした機器類は、機能を損なわない限り小さい方が望ましい。また、本体と接続ボックスの間も強靭な被覆のケーブルと携帯電話用と同等のコネクタを用いることで、誤って外れないようになっており、設計思想が現場に沿っていると思わせるところが垣間見られ好感が持てる。

ケーブル接続部。コントロールボックスと外部マイク用の接続ポートがある

コントロールボックス(インタフェースボックス)。この手のボックスとしては非常に小さい

コントロールボックスの接続口。一般回線およびACアダプタへの接続が用意されている

ACアダプタ。ケーブルはかなりの長さがある

ACアダプタの出力部分はいわゆるEIAJタイプが採用されている

本体とコントロールボックスをつなぐケーブル。携帯電話同等のコネクタが採用され、外れにくくなっている

コネクタ形状はmovaで使われたものとほぼ一緒

また、SDメモリーカードスロットが標準装備されており、単体で会議内容を録音でき、そのままPCなどで管理できる。電話会議では、ICレコーダやMDレコーダを側に置き、会議内容を録音していることも多いが、いざ再生してみると発言内容が聞き取れなかったり、音声が割れて内容が判別できなかったりする。端末で直接録音をサポートしてあれば、こうした問題からも開放される。なお、SDの容量は2GBまで対応している。

W-SIMとSDメモリーカードの収納口は操作パネルから向かって左辺部分にある