スティーブ・ミルズ氏

米IBMコーポレーションソフトウェアグループのシニアバイスプレジデント兼グループエグゼクティブのスティーブ・ミルズ氏が来日し、IBMソフトウェア事業の戦略や最新動向について説明した。

ソフトウェア事業の総責任者である同氏は、「IBMのソフトウェア事業は、売上高が年間200億ドルに達し、業界で2番目の大きさ。60か所のラボにおける開発や、170か国でセールス、テクニカルサポートに従事しているIBM社員の数は5万人に達する。ラボでは、ボストン、シリコンバレーでそれぞれ4000人が在籍しているのをはじめ、全体で2万5000人が従事している」と前置きしながら、「世界最大の製品の製品数を誇り、ソフトウェア製品の広さ、深さではIT業界きってのポートフォリオだと自負している。当社が持つ5つの製品(Lotus、Websphere、DB2、Tivoli、Rational)による様々な組み合わせで、顧客の問題を解決することができる」と語った。

また、同氏は、「いま、顧客が抱えている課題が4つある」として、それらを説明した。

第1点目は、SOAの分野。世界中の多くの企業が直面しているのがビジネスプロセスの統合の課題。オーダー・トゥ・キャッシュをいかにスムーズに展開するのか、ビジネスプロセスにおける摩擦を少なくして、いかに実行していくのかが求められているとした。

2つめには、ビジネスプロセスの意志決定の最適化。ここでは、IOD(インフォメーション・オンテマンド)が求められ、リアルタイムでの意志決定や戦略的な意識決定を支援していくことになるという。

3番目は、人をいかに有効に活用するか、人と人ををいかにつなげるかという点だ。意志決定プロセスの変化への対応、情報の共有化などが、これを解決する手法だという。

そして、4番目が、情報技術の管理および最適化。多くの企業では、アプリケーション開発の最適化、IT管理効率化などが大きな課題になっていることを示した。

「この4つの分野に対して、IBMは、5つの製品それぞれと、その組み合わせで解決を図る。Lotusはコラボレーションのための技術として、Websphereは統合・トランザクションのためのツールとして、DB2はデータ管理のためのソリューションとして活用される。さらに、TivoliとRationalは、それぞれシステム管理やセキュリティ強化・アプリケーション開発のためのツールとして活用されることになる。顧客が求めているのは、ビジネス・ドリブン・コンピューティングであり、顧客が推進している問題解決に軸足を向けたポイント製品の選択と、それらの連携こそが重要になってくる。ビジネス・ドリブン・コンピューティングの時代にこそ、IBMの真価を発揮できる」と語った。