毛包幹細胞の発生予定領域の同定。(A)(上)胎齢12日マウスのプラコード期から毛芽期に至る毛包発生のライブイメージング。(下)毛芽期の各領域の細胞の動きを遡って追跡することで、プラコード期でのそれぞれの発生予定領域が確認可能。毛包プラコードには異なる上皮細胞系譜が同心円上に配置しており、将来幹細胞になる細胞は毛包プラコードの辺縁の基底層(赤矢頭)に存在することがわかった。先行研究において幹細胞の起源とされた基底上層細胞(水色丸)は、毛芽期では表皮内に散在しており、毛包発生にほとんど寄与しないことが判明した。スケールバーは50μm。(B)プラコード期の基底層および基底上層に存在する細胞が、毛芽期毛包ではどこに存在するのかが集計された。基底層を完全に離れた基底上層細胞(水色丸)は、毛芽期において二度と基底層(成体幹細胞が存在する細胞層)に戻らないことが確認された。(C)毛包プラコードには、転写因子SOX9の発現の強さの異なる2種類の細胞が存在していた。先行研究で幹細胞の起源とされた基底上層細胞(水色矢頭)はSOX9を高発現させ、今回の研究で明らかになった幹細胞予定領域の基底細胞は、SOX9を中程度発現させていることがわかった(赤矢頭)。スケールバーは50μm (出所:理研Webサイト)
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