背側前頭皮質内側部の神経細胞は、異なる細胞集団が報酬の有無、報酬を期待させる音を表現する。(A)課題中の神経活動について、2光子カルシウムイメージング法による観察が行われた。(B)左は観察部位。背側前頭皮質内側部(dmFrC)、背側前頭皮質外側部(dlFrC)、一次運動野(M1)、内側前頭前野(mPFC)の神経活動が計測された。右は各領域の蛍光像。白い部分一つひとつが神経細胞である。(C)背側前頭皮質内側部の音および現在、過去の報酬を表現する細胞の割合。(D)代表的な活動パターンを持つ6つのサブグループ。報酬と、報酬を予期させる音の情報は異なる神経細胞集団が活動することで表現されている。また、線形回帰によるエンコーディングモデルの説明変数に対する重みで表示されている(緑線:「音」変数の重み、赤線:「現在の報酬」変数の重み、オレンジ色の線:「過去の報酬」変数の重み)。上は、音の種類で活動を変える神経細胞サブグループの平均活動パターン。中・下は、現在および1試行前に報酬が得られた(得られなかった)かどうかで、活動を変える神経細胞サブグループの平均活動パターン。今回用いられたエンコーディングモデルでは、重みが負のときに「音Bが鳴った」または「報酬が与えられなかった」ことに対応する。つまり右側の、重みが負のパターンを持つ細胞は音Bが鳴ったとき、または報酬がなかったときに活動していたことになる (出所:東大プレスリリースPDF)
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