生産年齢人口の減少、2019 年 4 月に控えた改正労働基準法の適用などを受け、働き方改革に取り組む企業が増加しています。多くの企業にとって、この取り組みの目的は、優秀な人材の確保や 1 人あたりの生産性向上にあるでしょう。しかしその先には、企業ごとが独自に持つ「事業価値」を向上させていきたいという展望があるはずです。
このような展望を実現した好例が、日本ビジネスシステムズ (以下、JBS) の取り組みです。同社では、2014 年の本社移転をきっかけに、ファシリティと IT の両面から業務環境を刷新。Surface Laptop や Surface Pro、Office 365 といったマイクロソフト ソリューションを全面的に採用した職場づくりによって、働き方を変えるだけでなく、オープンな企業風土への転換も果たしたのです。
この転換によって、JBS は、従来の "受け身型" から積極的に顧客と接点を持つ "提案型" へと、ビジネスの在り方を変革。Customer First を体現する企業として、さらなる成長を続けています。
業務環境を刷新して、企業体質の変革を図る
コミュニケーション ロスは、業務に支障をきたす大きな原因となります。これを抑制するための職場づくりが、働き方改革を加速させるための手段として現在注目を集めています。独立系システム インテグレーターとして業界内で確固たるプレゼンスを堅持する JBS は、フリー アドレス制の導入等、兼ねてよりコミュニケーションの活性化に取り組んできました。さらに同社は、2014 年、オフィス移転とともに業務環境を大きく刷新。全社員を対象とする業務 PC のモバイル化、コミュニケーション ツールの拡充などにより、従来以上に "いつでも、どこでも、どんなデバイスでも勤務ができる環境" へと進化しました。
このような取り組みは、多くの場合、テレワークへの対応や生産性の向上を実現するために行われます。もちろん、JBS はそういった効果にも期待していました。しかし、本質的な目的は、企業体質を変えること、そしてビジネス自体を変革していくことにあったといいます。日本ビジネスシステムズ株式会社 執行役員の三浦 剛志 氏は、この取り組みに至った背景について、次のように述べます。
「お客様から要望を受けて初めて動き出す、こういった "受け身型" なイメージを SIer に対して抱く方は少なくありません。事実、システム インテグレートを主軸として成長してきた当社には、このような姿勢が染みついていたといえます。ここで問題なのは、こうした風土が、お客様への対応だけでなく思考そのものをも保守的にしてしまうということです。従前、当社の社員の多くは、与えられた作業だけを粛々と行っていました。こうした環境からは、イノベーティブなサービスはなかなか生まれません。クライアント サーバ型からモバイル クラウド型へシフトしていることに象徴されるように、IT 業界は今、大きな変革期を迎えています。企業体質をオープンなものへと変え、ビジネスの在り方を "提案型" へとシフトしなければ、いずれは企業としての成長が止まってしまうのではないか。この危機感のもとで取り組んだのが、業務環境の刷新でした」(三浦 氏)。
JBS が 2014 年に実施した取り組みには、企業体質をオープンなものにしたい、"受け身型" から "提案型" へとビジネスを変革したいという、同社の強い思いがありました。そこから 4 年が経過した 2018 年、JBS の企業体質は、大きく変化しています。これまで保守的な傾向があった社員が日々顧客やパートナーとコラボレーションするようになるなど、オープンな風土が企業全体に広がっているのです。
三浦 氏は、成功とも呼ぶべきこの結果へと導くために、環境刷新にあたってはある方針を掲げたといいます。"stay current : 常に最新である" をキーワードに、同氏は説明します。
「社員が日々利用するツールを一流のもの、最新のもので統一する。そうすれば、社員の中に "これを使うに足る一流の人材になろう" という意識が芽生えるのではないか、企業体質を変えるきっかけになるのではないか、そう考えました。この仮説をもって、"stay current : 常に最新である" をテーマに、業務利用する IT を整備しました。『形から入る』とはよく言ったもので、まさにこれは好影響をもたらしたと感じています。従前と比べて、社内の雰囲気は一変しましたから」(三浦 氏)。
Surface が持つブランド イメージが、1 人ひとりの社員を変える
業務環境の刷新にあたり、JBS はまず、コラボレーションに用いるツールを Exchange Online や Microsoft Teams といった Office 365 のサービスへ統一しました。グローバル スタンダードなサービスである Office 365 を採用したことは、同社が方針に掲げる "stay current" の 1 つの現れだといえるでしょう。
三浦 氏は、「クラウド サービスの良いところは、私たちが掲げる "stay current" の通り、常に最新であるということです。中でもOffice 365 は、スタンダードであること、そして世界有数のセキュリティ水準を持つという優位性がありました。安全な環境というのは、社員に "どこでも活用していいんだ" という安心感を与えます。これをきっかけに活用が進めば、それはコラボレーション自体が増加することにつながります。Office 365 の採用には、この活用を通じて、保守的だった企業体質を変化させていくというねらいがありました。」と語ります。
JBS が "stay current" の対象とするのは、こうしたシステムに限りません。業務 PC に代表されるハードウェアについても、明確なねらいのもとで機種を選定しています。
業務 PC は、社員が普段もっとも触れる機会が多い IT となります。また、各種ツールを利用するための入り口でもあります。この業務 PC について、JBS では 2014 年のオフィス移転から一貫して、Surface シリーズを機種として選定。さらに、コラボレーション デバイスの Surface Hub も導入するなど、社員が利用するハードウェアの多くを Surface シリーズで統一しているのです。
三浦 氏は、「業務 PC など社員が日々接するハードウェアは、その機種の持つイメージが IT 活用のモチベーションを大きく左右します」と語り、Surface シリーズの選定理由をこう説明します。
「Surface というブランドが持つイメージに、何よりも期待しました。Surface シリーズは、"先進的" や "(ビジネスや生活が) 変わる" というブランド イメージを強く持っています。人というのはどうしても変化を嫌うものですが、"先進" "変化" というイメージを持ったデバイスに日々接すれば、変わるということを普通と捉えるようになるでしょう。社会の変化に企業として対応していくためには、まず企業を構成する社員が変わっていかなければなりません。このための 1 つの鍵として、Surface を機種に選定したのです」(三浦 氏)。
JBS では現在、Surface Pro と Surface Laptop の 2 製品を主に採用しています。社外へ出ることの多い営業部門、エンジニア部門には、機動力に優れる Surface Go や Surface Pro を配布し、エンジニア部門の中でも社内会議や個人の作業が多い開発部門へは、携行性と作業性のバランスに富んだ Surface Laptop を配布するなど、各部門に対して最適な機種を提供。さらに、在宅勤務をはじめとする多様なワーク スタイルに対応するために、バックオフィス部門へも Surface Pro を配布しています。
ここでユニークなのは、業務 PC の一般的な保守期限である 4 年に縛られることなく、必要に応じてそれより短い周期でもリプレースを行っていることです。
「新しい環境というのは、それだけで社員にとってはモチベーションとなります。もちろん、短い周期でリプレースすれば、相応のコストは発生するでしょう。ただ、社員の意識やモチベーションを左右するからこそ、業務 PC のような普段接するデバイスにはどんどん投資していくべきだというのが当社の考えです。一昔前は PC のリプレースが社員にとっての工数負荷となっていましたが、今はこの心配もありません。当社では Microsoft 365 の契約のもとで Office 365 を利用していますから、 Microsoft OneDrive を活用した仕組みによって、社員にほとんどデータ移行の負荷をかけることなく環境移行ができるのです。また、現在 Windows Autopilot の検証も開始しています。Surface はこうした Microsoft のソリューション との高い親和性を有していますので、PC 展開の効率化や工数削減を考えた場合にも効果的に機能することが期待できます」(三浦 氏)。
"stay current" がもたらした、ビジネスの変化
システムとデバイス、この双方で "stay current" を貫いた JBS の取り組みは、既述のとおり、企業体質の変化、ビジネスの在り方の変革という大きな成果を生みだしています。
実際に、ビジネスの現場へ目を向けてみましょう。開発を担当する日本ビジネスシステムズ株式会社 ビジネスソリューション本部の土屋 光平 氏は、現在利用している Surface Laptop を「13.5 インチの画面スペースと十分な処理性能によって、高い作業性が担保されています。それでありながら、持ち運びも苦になりません。」と評価し、これがビジネスにどう変化をもたらしたのか説明します。
「Surface Laptop を使い始めてから、間違いなく、社外の人と協働して業務に臨む機会が増えました。また、業務のあり方も大きく変わったように感じます。社外連携でいえば、これまでそういった場合には、先方オフィスや電話会議などの専用システムが設置してある場所で行う必要がありました。そこでは利用できる IT が制限されていますから、単純な報告や表層的な議論に留まることが多かったのです。今では、Surface Laptop の画面上でアーキテクチャを書いて説明したり、Microsoft Teams でこれを共有しながら議論したりなど、インタラクティブ性をもった高密度なコラボレーションが一般的になっています」(土屋 氏)。
また、生産性の向上やワーク ライフ マネジメントの推進といった側面でも、効果が現れているといいます。営業部門に所属する、日本ビジネスシステムズ株式会社 営業統括本部の小林 恵 氏は、このように語ります。
「私は Surface Pro を利用しています。これはタブレットとしても利用できますので、移動中のちょっとした隙間時間であっても簡単な作業を行うことが可能です。1 つひとつの作業量は少ないですが、積み重ねによって、社内での業務時間は間違いなく減っています。また、以前は取引先への訪問で遅い時間になってしまっても帰社するという感覚が普通でした。今思えば、細かな業務が残っているという焦りや、重いデバイスを持って帰りたくないという思いがその背景にあったのだと感じます。隙間時間の活用によって焦りをあまり感じなくなったこと、また Surface Pro が苦にならない重量であることを理由に、業務の絶対量は変わらないながら直帰する機会が増えているからです」(小林 氏)。
ソリューションとしても、マイクロソフト プロダクトを顧客へ提供していく
業務環境を戦略的に刷新したことで、オープンな企業体質が定着しつつある JBS。ビジネスの在り方についても、"提案型" への変化が加速しています。三浦 氏は、"提案型" SIer として今後、自社の成功例をサービス化して、顧客に対してもこれを提供していきたいと語ります。
「"提案型" SIer に求められるのは、提案が有する納得性です。そのため、当社では現在、お客様が当社の提案に価値を感じて頂けるようにまずは自分たちが利用して、効果を実感したものを提案する方針を採っています。マイクロソフト製品を全面採用した今回の取り組みは、当社にとって大きな成功となりました。ここで得たノウハウを武器に、今後はお客様にも、しっかり納得いただける形でマイクロソフト製品を提案していきたいと思っています」(三浦 氏)。
"2018 年 4 月には、まだ提供開始から間もない Workplace Analytics を導入しました。そこで業務ログを統計分析することで、1 つひとつの業務最適化も図っていけると考えています。マイクロソフトには今後も、当社の "stay current" を支えて頂きたいですね。"
―三浦 剛志 氏: 執行役員 経営企画部長 兼 事業企画本部長
日本ビジネスシステムズ株式会社
働き方改革は、いまやあらゆる企業が取り組むべき共通した経営課題となっています。ただ、この目的は、JBS の取り組みのように、戦略的なねらいのもとで定めるべきでしょう。企業体質とビジネスの在り方を変革した同社の取り組みは、社会全体の働き方改革が加速する今だからこそ、そこでの大きな指針となるはずです。
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