東京都目黒区に門を構え、都内だけでなく神奈川や埼玉、千葉など多方面から通学する生徒へ豊かな教育を提供する、多摩大学目黒中学校・高等学校。同校は、机上の知識を増やすことだけでなく、生徒の「自主性を育む教育」も重視しています。
アクティブ ボード (電子黒板) の導入など、ICT 環境の整備にも積極的で、生徒が自らの意志で自学自習するアクティブ ラーニングの実現へ向けた取り組みを進めています。2016 年には、自主的な学習スペースとして開放している PC 教室への常設デバイスとして、Surface Book を導入。生徒が魅力を感じるデバイスを採用したことで、自ら能動的に ICT を取り入れ自学自習を進める好循環を生み出しました。
プロファイル
生徒の自主性に重きをおき、自分らしさと可能性を見出すという方針のもと、豊かな教育を実践する、多摩大学目黒中学校・高等学校。同校は、アクティブ ボード (電子黒板) や無線 LAN 環境、Surface Book など、最新の ICT を積極的に教育の場へ取り入れることで、生徒が自ら考え、自ら学ぶアクティブ ラーニングの実現を目指していきます。
導入の背景とねらい
リプレースを控えた PC 教室のデバイスとして、2 in 1 タブレット デバイスの採用を検討
「自分らしさと可能性を見出す教育」を方針に掲げ、生徒の自主性を育む教育を提供する、多摩大学目黒中学校・高等学校。同校は、2011 年度にアクティブ ボード (電子黒板) を導入し、2015 年度には全校舎に無線 LAN 環境を整備するなど、先の方針の実践へ向けた ICT 環境の整備にも注力しています。
多摩大学目黒中学校・高等学校 事務主任 システム担当 片山 孝司 氏は、これまで整備してきた ICT 環境が、授業での活用のみでなく、生徒の自学自習を促す場としても大きく機能していると説明します。
「生徒一人ひとりの理解状況に応じた学習計画を立案し、実践する。さらに、生徒自らが自身の理解状況を踏まえ自学自習を進めていくうえでは、日々の勉強成果が見える化されていなければなりません。それを実現すべく、当校は 2012 年度から、学習支援システム『SSL (Super Students Learning Center)』の運用を開始しました。全生徒にアカウントを配付し、(放課後に開放している) PC 教室での自学自習を促すことで、生徒の自主性向上をサポートしています」(片山 氏)。
こうした生徒の自学自習を促す ICT の取り組みは、これまで、PC 教室に常設したデスクトップ PC を使って実践してきました。
同校はこの取り組みをさらに発展すべく、2015 年度に完成した 5 号館の教室に数十台のタブレット デバイスを常設。その有効性について中学生の授業で検証を行ったところ、「生徒自らタブレット デバイスを利用して積極的に調べ学習を行い、その後もタブレット デバイスを自学自習で活用する生徒が増加した」という好結果を収めたのです。
この成功経験を踏まえ、2016 年度に控えた PC 教室の PC リプレースにおいて、デスクトップ PC に限らずさまざまな選択肢から機種の検討を行った、と片山 氏は振り返ります。
「PC 教室に常設するデバイスは (リプレースまでの) 最低でも 5 年間利用することとなります。今後の ICT 教育の発展を見越した場合、一般的な『据え置き型』という固定概念を捨て、さまざまな選択肢から機種を選定する必要がありました。また、これまで設置していた PC は Windows 7 を搭載していましたが、現在の最新 OS は Windows 10 であり、生徒の家庭で利用される PC の多くも同様に Windows 10 搭載機であると推測されます。学校と家庭で利用する PC の間でギャップがある場合、それが抵抗感を生むきっかけになり、ICT 教育を阻害するボトルネックになりかねません。そこで、Windows 10 を搭載する機種を前提に、選定を進めました」(片山 氏)。
実際に授業で教鞭を振るう、多摩大学目黒中学校・高等学校 技術・情報科教諭 石川 智啓 氏は、Windows 10 が新たに備える「Windows Ink」機能とタブレット デバイスの組み合わせにより、アクティブ ラーニングのさらなる発展が期待できると語ります。
「生徒たちは 2015 年に導入したタブレット デバイスをすでに使いこなしており、タッチ操作に慣れた生徒も多いです。Windows Ink は、このタッチ操作を最大限活かし、生徒が自身で作成したコンテンツを能動的に共有するというように、アクティブ ラーニングの実践においても有効に機能すると感じました。一方、PC 教室では、キーボード入力を主に授業を進めるため、タブレット型とノート PC 型を使い分けられる 2 in 1 タブレット デバイスが採用できないかと考えました」(石川 氏)。
システム概要と導入の経緯
圧倒的な作業性の高さ、コスト メリットのある文教モデルの存在が決め手となり、Surface Book の採用を決定
2016 年度に控えた PC リプレースへ向け、多摩大学目黒中学校・高等学校は、2 in 1 タブレット デバイスの採用を前提とし、複数機種から比較検討を実施。しかし、これまで PC 教室に常設していたデスクトップ PC から切り替えるうえで、既存の 2 in 1 タブレット デバイスには次の懸念があったといいます。
多摩大学目黒中学校・高等学校が実践する ICT 教育では、映像教材等が多用されていますが、そこでの作業をストレスなく進めるためには、デバイス側に高い性能と一定以上の画面サイズが求められます。検討対象となった 2 in 1 タブレット デバイスは、インタラクティブ性をもった授業の実現や、自学自習のさらなる向上が期待できるものの、同校が求めるスペックの条件に達する機種がなかったのです。
結果、同校は 2016 年 1 月、ラップトップ型のノート PC の導入を仮決定しました。しかし、その翌月に Surface Book の提供が開始されたことを受け、状況が変化したと、片山 氏は語ります。
「Surface Book は、多くの 2 in 1 タブレット デバイスが抱えていた性能、画面サイズの課題を克服した、まさに理想のデバイスといえるでしょう。ラップトップ型ノート PC の導入を仮決定した直後に Surface Book が発表されたこと、また、仮決定したデバイスと比べ高価であったことから、すぐに採択するのは難しい状況でしたが、理想のデバイスを生徒へ提供したいという思いもあり、リプレースの直前まで、Surface Book の採用を検討し続けることにしたのです。2016 年 2 月に文教向けモデルの販売が開始され、コストが予算内で収められるようになったことで、採用が現実化しました」(片山 氏)。
Surface Book の検討過程において、同校は、実機の試用と検証を行っており、そこではデバイスの携行性、タブレット用途としての完成度の高さ、そして、性能含む安定動作を大きく評価していました。ここで得た評価もあり、Surface Book の正式採用を決定します。
Surface Book について石川 氏は、同校が 2 in 1 タブレット デバイスに求める自学自習の向上にとどまらず、別の観点からも導入意義を感じたと続けます。
「ICT の重要性は、教育機関だけでなく社会においても、今後さらに高まっていくでしょう。そのため、教育機関には、生徒へ『ICT に関するモラル教育』を提供することが求められます。このモラルは、決して押し付けではなく、生徒自らが自主的に醸成しなくてはならないものです。Surface Book が備える高級感、最新というイメージは生徒にも伝わります。備品管理やセキュリティの徹底を意識づける効果があると感じ、これが ICT のモラル教育に結びつくきっかけになればと期待しました」(石川 氏)。
PC 教室での授業や放課後の空き時間、生徒は、教室内に設置された収納ラックから自身で Surface Book を取り出して利用し、また利用後も自身で収納する。取材当日、ラック内には Surface Book がきれいに整理、収納されていた |
導入製品とサービス
- Surface Book
導入メリット
生徒自身が「自ら率先して活用したい」と感じるデバイスを導入したことで、PC 教室の利用が活性化。生徒の自学自習を促進できた
タッチ操作を含む生徒 PC の操作性が高まったことで、机上巡視などにおける指導効率も向上し、授業の生産性を高めることができた
導入の効果
生徒自身が能動的、かつ積極的に Surface Book を活用。授業の生産性向上へも貢献
多摩大学目黒中学校・高等学校は 2016 年 9 月より、Surface Book の運用を開始。同校の生徒はすでに、Surface Book を使いこなし、またそれを自学自習で能動的に活用しているといいます。
石川 氏は、Surface Book を活用した授業の初回で、導入した効果を感じたと、笑顔で語ります。
「Surface Book を活用した授業の初回では、生徒からすばらしいリアクションが返ってきました。タブレット用途ができることを知らせず授業を進めたのですが、何も教えなくても生徒のうちの数人がタブレットとキーボードを分離し、それを他の生徒へ共有していったのです。このように生徒は、Surface Book を積極的、かつ能動的に活用しています。これは、生徒自身が Surface Book を魅力的なデバイスだと感じていることに起因しているでしょう」(石川 氏)。
Surface Book の導入は、こうした自発的な生徒の活動を促進すると同時に、授業の生産性向上にもつながっています。教員目線では、生徒の画面を直接操作できる点が Surface Book の大きな利点となります。通常の PC の場合、生徒からマウスやキーボードを借りなければ (教員は) 生徒の PC 操作ができません。そこでは生産性のロスが生じますが、精度の高いタッチ操作、ペン操作が可能な Surface Book ならば、ノートに近い形でスムーズに添削や指示を行うことができ、机上巡視においても有効に機能するのです。
さらに、片山 氏は、生徒自身が「自ら率先して活用したい」と感じるデバイスを導入したことで、放課後における PC 教室の利用も活性化しているといいます。
「現在、15:30 ~ 17:00 までの時間は、生徒向けに PC 教室を開放しており、生徒たちはこの時間で授業課題に取り組んだり、SSL や教育アプリを活用した自学自習を行ったりしています。この PC 教室の活用が以前よりも活性化しており、自学自習する生徒は増加したといえるでしょう。それだけでなく、生徒たちどうしで Surface Book の活用方法を発見し、それをシェアし拡げていくという動きも生まれています。今後は、タブレット用途の利点を活用した『場所を選ばない自学自習』が促進されていくことでしょう。また、ICT に合わせて本校が力を入れている国際教育の一貫として、カナダやニュージーランドの提携高校とのライブ通信等に Surface Book のカメラ機能を活用することも期待しています。そのために、PC 教室だけでなく普通教室でもデバイスを有効に活用できるしくみを構築していきたいと考えています」(片山 氏)。
今後の展望
場所を問わない ICT 教育を本格化すべく、さらなる環境整備と活用方法の協議を進める
多摩大学目黒中学校・高等学校は、今後、校内のあらゆる場所で ICT が活用できる環境整備を進める予定です。2016 年度中には、中学、高校の全教室へのアクティブ ボード (電子黒板) 機能付きプロジェクターの導入が計画されています。
こうした生徒へ向けた環境整備だけでなく、教員の業務用 PC を Surface Book へ一本化することも、将来的には視野に入れていると、片山 氏は語ります。
「2016 年度にはアクティブ ボードの全教室への導入を計画しており、生徒向けの環境整備はこれでひととおり完了すると考えています。今後は、これまでの『いかに、環境を整備するか』という段階から、『いかに、教員が有効に ICT を活用するか』へシフトしていくでしょう。そこでは、教務と校務のどちらでも利用できるデバイスの採用も、有効な選択肢だと考えています。まずは現在の環境で ICT 教育を実践し、有効な ICT 教育の手法を検討する。そこで足りないものがあるならば新たに環境整備を進め、また実践する、といった形で、PDCA のサイクルを回していきます」(片山 氏)。
Surface Book の導入により、生徒が能動的に ICT を取り入れ、自学自習を進める好循環が生まれた、多摩大学目黒中学校・高等学校。同校の ICT 教育は、Surface Book という新たなデバイスを得たことで、よりいっそうの発展を遂げました。多摩大学目黒中学校・高等学校は今後も、「自分らしさと可能性を見出す教育」を実践すべく、有効な ICT 教育に取り組んでいきます。
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「現在、15:30 ~ 17:00 までの時間は、生徒向けに PC 教室を開放しており、生徒たちはこの時間で授業課題に取り組んだり、SSL や教育アプリを活用した自学自習を行ったりしています。この PC 教室の活用が以前よりも活性化しており、自学自習する生徒は増加したといえるでしょう。それだけでなく、生徒たちどうしで Surface Book の活用方法を発見し、それをシェアし拡げていくという動きも生まれています。今後は、タブレット用途の利点を活用した『場所を選ばない自学自習』が促進されていくことでしょう。また、ICT に合わせて本校が力を入れている国際教育の一貫として、カナダやニュージーランドの提携高校とのライブ通信等に Surface Book のカメラ機能を活用することも期待しています。そのために、PC 教室だけでなく普通教室でもデバイスを有効に活用できるしくみを構築していきたいと考えています」
多摩大学目黒中学校・高等学校
事務主任
システム担当
片山 孝司 氏
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