NECソリューションイノベータは、NECグループの社会価値創造における中核会社として、システムインテグレーション、基盤ソフトウェア開発をはじめ、多様な事業を展開しています。その1つとなるシステム基盤ソリューション事業部では、デジタル技術の進化や市場ニーズの変化に対応できる体制の構築を目的として、実際のプロジェクトにVMwareのスタッフが伴走しアジャイルでプロダクト開発を行う手法の習得を支援するサービス「VMware Tanzu Labs」を採用。自社の業務アプリ開発にこのサービスを適用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引する人材の育成と、顧客の要望に応えるアジャイル開発方式の習得を進めてきました。
NECソリューションイノベータが採用したソリューション
クラウドへのリフト&シフトが加速し、システム基盤の構築においてもアジャイル開発への追随が求められるようになったことを受け、顧客のニーズに合わせたアジャイル開発手法を習得する取り組みの一環として、アジャイルなアプリケーション開発・運用体制構築を支援する「VMware Tanzu Labs」サービスを採用した。
NECソリューションイノベータが直面した課題
- インフラやアプリケーションの変化のスピードに追随できる開発手法への対応
- 顧客のニーズに合わせた手法を採用できる多様な開発体制の構築
- DXを推進する人材の育成とアジャイルな開発手法の習得、社内への情報共有
NECソリューションイノベータが実現した効果
- 社内業務アプリの開発にVMware Tanzu Labsのプログラムを適用することで、DXを推進する体制を強化
- リーンXPの手法を習得し、社内利用者の要求に柔軟に対応できる開発環境を構築
- 若手メンバーをアサインし、アジャイル開発のノウハウを全社展開する人材を育成
企業IT環境のクラウド移行が加速するなか、顧客のビジネスアジリティを実現する手法を模索。幅広いアジャイルフレームワークの習得を目指す
高い技術力・開発力を持つエンジニアと幅広い業務・業種の知識を有し、ITインフラから業務アプリケーションまで一気通貫で社会基盤となるシステムの構築を担うNECソリューションイノベータ。NECグループのパートナーシップを活かしたエコシステムを形成し、コンサルティングや運用保守をトータルで提供することで、戦略パートナーとして企業の価値向上を目指しています。NECソリューションイノベータ株式会社 執行役員の中前 秀信氏は、同社が掲げるビジョンについてこう語ります。
「ITの技術は日々進化を続けています。我々もシステムインテグレータとして技術力の向上を図り、顧客の価値を最大化するタイムリーなシステムを提供することを目指しています。バリュープロバイダーとして、さまざまなステークホルダーとの共創を通じて人や社会の未来を描き、新たな価値の創造に挑戦していくことをビジョンに掲げて、さまざまな事業を展開しています」(中前氏)
NECグループでは、顧客のビジネスアジリティを実現するべく、“アジャイル”の考え方をビジネスに活用するための取り組みを進めており、グループの一員であるNECソリューションイノベータにおいても、顧客のニーズに合わせたアジャイル開発手法の習得は、ビジネスを展開するうえで重要なミッションと捉えています。
システム基盤のインテグレータとして事業を展開している同社は、かねてよりヴイエムウェアのパートナー企業でもあり、定期的な情報交換を続けていました。そのなかで、アジャイル手法のアプリケーション開発・運用体制構築を伴走型で支援するVMwareのサービス「VMware Tanzu Labs」を提案されたといいます。今回のプロジェクトに参画したシステム基盤ソリューション事業部 シニアマネージャーの西村 陽平氏は、当時を振り返ります。
「顧客のDXを支援していくためには、インフラやアプリケーションの変化のスピードに追随できる開発手法が必要だと実感していたとき、VMware Tanzu Labsのサービスを提案され、検討を進めました。さらに、社内でもDXを推進する動きが加速していたので、開発における最新の考え方や手法が学べるVMware Tanzu Labsを利用することで、より効率的な社内DXを進められると判断しました」(西村氏)
社内業務アプリの開発にVMware Tanzu Labsサービスを適用。経験豊富なTanzu Labsチームとの共創によりアジャイル開発手法を習得し若手メンバーの成長を促す
こうして社内DXの一環として取り組んでいた業務アプリケーションの構築をテーマに、VMware Tanzu Labsのプロジェクトが始動しました。VMware Tanzu Labsが推進するリーンスタートアップ、リーンXPの手法を学ぶことの意義について、プラットフォーム事業ライン 理事 兼システム基盤ソリューション事業部の事業部長を務める山本 淳氏は以下のように解説します。
「今回のプロジェクトでは、社内向けのアプリケーションを開発しながらアジャイルの手法を学ぶことを目的としています。NECグループではすでにアジャイル的なプロジェクト開発手法が確立されていますが、顧客が求めているものに対して最適な提案を行うためには、多様なアジャイルの開発手法を習得しておくことが重要と考えました」(山本氏)
VMware Tanzu Labsのプログラムでは、導入企業の開発チームからプロダクトマネージャー、デザイナー、ディベロッパーをアサインし、それぞれに対してTanzu Labsのメンバーが随時コミュニケーションを取り、マンツーマンで支援しながらプロジェクトを推進していきます。今回のプロジェクトでは、NECソリューションイノベータの若手メンバーが中心にアサインされ、2022年7月~9月にかけての約3カ月でリーンXPの手法を用いたアプリケーション開発が進められました。
普段はアプリケーション開発およびインフラの構築に携わり、今回のプロジェクトではプロダクトマネージャーを担当した松島 未歩氏は、プロジェクトへの参加について次のように話します。
「以前、イベントでVMware Tanzu Labsの講演を聞いたときから興味を持っていました。本当に偶然なのですが、そのときに講演されていたヴイエムウェアの方が今回のプロジェクトに参画されていて、不思議な縁を感じてうれしい気持ちで取り組むことができました」(松島氏)
VMware Tanzu Labsのプログラムでは、ドメイン知識の収集・共有やスコープ設定など1か月ほどの準備期間を経て、リーンXPの手法を用いたアプリケーション開発がスタート。社内アプリケーションの開発に携わり、ディベロッパーとして本プロジェクトに参画した森島 佑貴氏は次のように語ります。
「普段の業務ではウォーターフォール型の開発に関わることが多く、リーンXPの具体的なイメージが掴めていない状態でプロジェクトに参画しましたが、Tanzu Labsチームの皆さんと一緒に進めていくなかでリーンXPの考え方を理解し、開発作業の区切り方をはじめ、アジャイルな開発手法を学ぶことができました」(森島氏)
松島氏も「アジャイルでプロダクトを開発する際には、小さく進めていくことが重要であるということを学べました。私自身はウォーターフォール型の開発を通じてお客様にシステムを導入してきた実績が長く、完璧なものを作り込んで、最後にリリースするという考え方が根底にありました。アプリケーション開発にあたっても、最低限ここまでの作り込みが必要、とハードルを上げている面があり、アジャイル開発の手法に最初は戸惑いました。その際にTanzu Labsチームの方から『そもそもこの機能を作ることが本当に必要なのか根拠がない状態で作り込んでも、機能自体がムダになってチーム全体が疲弊する可能性がある』と教えられてハッと気付かされ、今ではアジャイルの考え方にシフトできていると実感しています」と自身の経験を語ります。
VMware Tanzu Labsのプログラムで得られたものは多いと森島氏。「ニーズの変化に合わせて最適な手法でプロダクトを作るというアプローチを知ることができたのは大きな成果と感じています」と語り、今後の社内・社外向けプロダクト開発においても、今回のプロジェクトで得たノウハウを適用していきたいと力を込めます。
このようにマンツーマンでアジャイルの開発手法を学ぶという、いわば新しい刺激を受けながら実際のものづくりを行なった経験は、プロジェクトに参加したメンバーの自信にもつながっていると考えられており、社内の他のメンバーへの共有が期待されています。
VMware Tanzu Labsのプログラムで得られたアジャイル開発の考え方や手法を全社展開し、顧客のニーズに合ったシステム基盤を提供する
VMware Tanzu Labsのプログラムで得られた知見・ノウハウは、システム基盤ソリューション事業部のビジネスに活かされていくだけでなく、全社的に横展開してアジャイルの開発手法の浸透を図っていく予定です。西村氏は「まずは自社のDXに今回のプロジェクトを通じて学んだ考え方や手法を取り入れて経験を蓄積し、最終的には顧客向けのビジネスにおいても効果的に活用していきたいと考えています」と今後の取り組みを口にします。
システム基盤ソリューション事業部を統括する山本氏も、「現在はプラットフォーム自体がマイクロサービス化されてきており、従来のインフラ構築の考え方ではなく、アプリケーション開発のアプローチで進めるケースも増えてくると思っています。その意味でも、今回得られた経験は、今後のビジネスにおいて重要な役割を果たすと思っています」と語ります。
また、経営的な観点では、中前氏が「外部から先進的な考え方を吸収できた今回のプロジェクトは、社員のモチベーションを高めるという意味でも大きな意味があったと思います。これからも弊社とヴイエムウェアが培ってきた強固な関係を持続し、協業体制でお客様にとっての価値を追求していきたいと考えています」と将来に向けた展望を語ります。
マルチクラウドやハイブリッドクラウドの活用によるDX推進の流れが加速している状況のなか、ヴイエムウェアとの協業により先進の技術・手法を積極的に取り入れ、多様な顧客のニーズに応えるNECソリューションイノベータの取り組みには、今後も注視していく必要があるでしょう。
●業界
Information Technology
●カスタマープロフィール
NECグループ企業として、システムインテグレーション事業や基盤ソフトウェア開発事業、サービス事業などを展開し、顧客や社会の課題解決を支援するNECソリューションイノベータ株式会社。国内トップレベルのエンジニア数を擁し、大規模でミッションクリティカルなシステムの構築を担っている。
●導入サービス
VMware Tanzu Labs
[PR]提供:ヴイエムウェア