本連載では過去2回にわたり、グローバル化が進む日本企業を取り巻く環境、「カネの有効活用」と「カネのリスク管理」をめぐる課題、財務を統括するCFOの役割、さらに財務管理の課題を解決するトレジャリーマネジメントについて紹介してきた。最終回の今回は、そのトレジャリーマネジメントの仕組みをクラウドサービスとして提供するキリバ・ジャパン株式会社のソリューションについて、同社 代表取締役社長の桑野祐一郎氏に聞いた。

財務部門を管理部門から“戦略部門”へ

「子会社の報告を鵜呑みにしたために、監査直前の不自然な資金の動きがつかめなかった」、「『資金が十分あるのに増資するのはおかしい』と株主から指摘を受けるものの、自由に使える資金はわずかしかない」―― これらは、グローバル化を進めた日本企業において実際にあった出来事である。こうした「カネに関するリスク」を管理しながら、手元の資金を有効活用していくためには、トレジャリーマネジメントの仕組みを導入することが最も有効な手段であることを過去2回の記事で紹介した。

そんなトレジャリーマネジメントの仕組みをクラウドサービスとして提供するキリバ・ジャパン株式会社(以下、キリバ)とは、どのような企業なのだろうか。

キリバ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 桑野祐一郎氏

「キリバは2000年に米国サンディエゴで創業したクラウド型財務管理サービスの専業ベンダーです。キリバが顧客に提供できる価値は『Take your Treasury from Management to Strategy』という会社の方針に集約されます。これは『財務部門を管理部門から戦略部門へ変えていく支援をする』という意味になります」と、桑野氏は同社のスローガンを語る。

キリバが日本に進出したのは2012年のこと。日本法人の設立にあたっては、米国キリバのほか、日本オラクルの初代代表を務めたアレン・マイナー氏が日本に創業したIT専門ベンチャーキャピタルのサンブリッジや、複数の国内メガバンク系ベンチャーキャピタルが出資している。また、米国セールスフォース・ドットコム 会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏、米国コンカー 創業者兼CEOのスティーブ・シン氏らが個人の立場でキリバの株主に名を連ねているという。

「キリバは『財務業務の高度化を通じて、日本企業の国際競争力強化の一翼を担う』というミッション・ステートメントを掲げています。日本企業は国内では取引銀行のCMS(Cash Management System)を使って財務管理を行っているものの、海外子会社の財務はExcelなどを使って手作業で集計していることが非常に多いのが実情です。こうした集計やレポートの作成を自動化し、その分のリソースを戦略立案や意思決定という“財務部門が本来取り組むべき業務”に費やしていただけるようにするのが、キリバの価値になります」(桑野氏)

財務業務を統合することで得られるメリット

トレジャリーマネジメントに必要な全機能を提供

では、キリバが提供するサービス「キリバ・エンタープライズ」とはどのようなものなのか。桑野氏は「財務管理業務の自動化・効率化を進め、キャッシュポジションの可視化を実現し、ファイナンシャルリスク管理を強化するためのサービスです」という。

「一般的な財務管理はExcelを使って行われていることが多く、集計作業やレポート作成の手間がかかり、人為的なミス・エラーといった課題があります。また手作業の集計になると、どんなに頑張っても月一度の報告が限界であり、現時点の状況を把握することはできません。キリバのサービスを導入すれば、グローバル全体の財務管理の仕組みを一つに統合し、財務業務の自動化・効率化とレポート作成工数の削減を実現してリアルタイムに状況を把握できるというメリットがあります」(桑野氏)

また、クラウド型サービスという点も、キリバ・エンタープライズの大きな特長だという。

「トレジャリーマネジメントの仕組みを従来型のオンプレミスで構築しようとすると、導入期間が長期化し、費用が高額になるばかりか、自社でシステムを運用しなければならないという負荷もかかります。その点、クラウドサービスならば素早く、かつ廉価に導入することが可能です」(桑野氏)

クラウドによるメリット

キリバ・エンタープライズは、会計・銀行管理、資金・流動性管理、支払い、財務取引、サプライチェーン・ファイナンスなどの財務管理機能をモジュール単位で提供している。銀行CMSやERPなど、社内システムとデータ連携するための接続ハブも用意されている。これらの中から企業が財務管理の課題を解決するのに必要な機能を選び、スモールスタートで導入することができるのだ。

キリバ・エンタープライズのソリューションモジュール

桑野氏は言う。「キリバでは資金繰りの精度向上、為替・金利・カントリーリスクへの対応、内部不正対策といったリスク管理、あるいは計画的な資金運用・調達や集計・レポート作成業務などのコスト削減を実現するために、まずはトレジャリーの可視化から始めることを推奨しています。ここから受取りと支払いを帳簿上で相殺して実際の移動資金を小さくする『ネッティング』、ルールに基づいて複数の口座間で自動的に資金を移動する『プーリング』、グループ内の支払業務を集中管理する『ペイメント・ファクトリー』、さらにサプライヤーへの安定した金融供給を実現する『サプライチェーン・ファイナンス』へと、徐々に高度化していくことが望ましいと考えています」

キリバの考える高度化のステップ

豊富な導入事例が物語る絶大な効果

キリバ・エンタープライズの顧客数は現在、グローバルで約1,300社(企業グループ)に及ぶという。これは、財務管理に特化したクラウドサービスとしてはナンバーワンの実績だ。その顧客の中には、各業界を代表するグローバル企業グループが多数含まれている。例えば、大手セキュリティベンダーやカード会社なども、キリバのクラウドサービスを利用してトレジャリーマネジメントを実践している。

もちろん、日本のグローバル企業にも数多く採用されている。その一社のコニカミノルタでは、資金の可視化、グローバル為替管理の強化、インハウス・バンキングの活用を目的とするグローバル財務管理基盤の構築を目指し、キリバ・エンタープライズを導入した。導入後は資金の可視化によるキャッシュの半減、効率的な為替リスクヘッジ、国内関係会社間決済のキャッシュレス化といった成果が得られているという。

次に、日清食品ホールディングスでは、事業投資や設備投資の進捗による中長期的な資金需要を迅速・正確に把握し、効率的な資金調達・運用を行うことを目指し、キリバ・エンタープライズによるグローバルベースの財務プラットフォームを構築した。財務管理業務の自動化・効率化が実現され、資金繰り予測精度が向上するとともに、投資が資金ポジションに与える影響についてのシミュレーションが可能になるといったメリットが見込まれている。

他にも、野村総合研究所では、グローバルでの財務管理体制の構築やコーポレートガバナンス強化を実現するためにキリバ・エンタープライズを導入。グローバル全域での資金の可視化による資金管理一元化を進め、地域統括会社を中心としたグローバルガバナンスとコンプライアンス体制を確立した。

このようにグローバルで活躍している企業以外にも、大手製造業や大手アパレル企業など、キリバ・エンタープライズには豊富な導入実績がある。

「キリバ・エンタープライズの導入理由は、主に資金の有効活用かリスク管理かのどちらかです。いずれの場合であっても、絶大な効果が得られることをお約束します」と桑野氏は強調する。

(マイナビニュース広告企画:提供 キリバ・ジャパン株式会社)

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