前回までSSDを採用した「オールフラッシュストレージ」の特徴と、「Tintri VMstore」の優位性を紹介してきました。最終回では、オールフラッシュストレージのユースケースとともに、SSDとHDDの両方を搭載した「ハイブリッドストレージ」との使い分けについて考えてみましょう。
オールフラッシュストレージは、表領域の合計が数テラバイトを超えるようなデータベースファームや大規模なDWH(Data Ware House)、2000台以上の仮想デスクトップ(VDI)や3D CAD VDIを利用するような環境に適しています。2015年にGPU(Graphics Processing Unit)の仮想化がVMware環境でサポートされたことから、製造業を中心に、高性能な3D CADワークステーションをVDI環境で利用するケースが増えており、こうした環境では、オールフラッシュストレージがその実力を発揮します。
一方、ハイブリッドストレージは、あらゆるサーバー仮想化に対応します。特に従来から仮想化されてきた業務やアプリケーションなどの利用に最適です。また、パブリック/プライベートクラウド基盤、オフィス用途での一般的な仮想デスクトップでも広く使われています。ティントリのハイブリッドストレージは「Flash First」思想で設計されており、書き込みされるデータは全て一旦フラッシュに保存します。そののち、使用頻度が低いデータを「コールドデータ」とみなし、コストパフォーマンスの良いHDDに移動します。そのため、日常的にアクセスされるI/Oのほとんどはフラッシュで処理されます。こうした工夫により、コストパフォーマンスの良い、高速なストレージを実現しています。
「Tintri Global Center」でハイブリッド/オールフラッシュを一元管理
今後は、用途に応じてハイブリッドストレージとオールフラッシュストレージを併用して運用するケースが増加するでしょう。その際重要になるのは、両方のストレージを同時に管理できる環境です。「Tintri VMstore」では、ハイブリッドシリーズとオールフラッシュシリーズが共に同じオペレーティングシステムである「Tintri OS」を搭載しています。そのため、これまでハイブリッドストレージを運用していたユーザーがオールフラッシュストレージを追加した場合でも、オペレーションが同じなため、新たにトレーニングを受ける必要はありません。
「Tintri VMstore」は、仮想化環境に最適化されており、それぞれの仮想マシンに対してのパフォーマンスチューニングはストレージ側ですべて自動化されています。
また、ハイブリッドオールフラッシュのシリーズ混在や、VMware、Hyper-V、Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)、OpenStack、Citrix XenServerのようなマルチハイパーバイザー環境を一元管理するストレージ管理プラットフォーム「Tintri Global Center」も用意されています。これは、複数のストレージをシームレスに集約管理するもので、複数のデータセンターにまたがる最大32台の「Tintri VMstore」、そして10万台以上のVMを一元的に管理できます。複数の「Tintri VMstore」は単一のコンソール画面に表示されるため、段階的に拡張される場合でも集中管理が可能です。スナップショットやQoSの設定も「Tintri Global Center」で保持しているため、ハイブリッドとオールフラッシュ間で仮想マシンが移動しても、再設定する必要がありません。
こうした両ストレージの併用環境を最適化する機能は、随時拡充されています。将来的には、仮想化されたワークロードをストレージが的確に判断し、ハイブリッドとオールフラッシュにデータを振り分けるロードバランシング機能が追加される予定です。
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