汎用パッケージソフトウェアが定着しづらい業界というのがある。日本のアパレルはそうした代表例の1つだ。製造・流通に挙げられる一業種でありながら、独特の商品特性、商習慣があり、フィット&ギャップ分析の段階で断念するケースが多いという。
果たして、他の製造・流通業とどういった点が異なるのか。米ERPベンダーによる解説を基にご紹介しよう。
1商品で9種以上、多量SKUへの対応
アパレル業界向けシステムの設計で最初にぶつかる壁。それが、取り扱うアイテム点数に対してあまりに大量になるSKU(Stock Keeping Unit)である。
SKUとは、在庫管理の最小単位のこと。例えば、同じアイテムでも3色のバリエーションがあれば、3種類の商品を管理しなければならなくなるので、これを3 SKUと数える。
ファッション製品の場合、型や色に加えてサイズという要素が加わることになる。これが管理を複雑にする要因の1つだ。通常の商品であれば、最低でもS、M、Lの3種類は用意するのが一般的。したがって、例えば、同じ型のシャツでも赤、青、黒の3色があり、そのサイズをS、M、Lと用意するならば、1アイテムで9 SKUを管理することになる。国内アパレル店舗の多くがそれ以上のサイズを用意しているのは触れるまでもないだろう。
さらに、ファッション製品は、シーズンと売れ行きが密接に関係する。在庫はすぐに「売れ残り」へと変わるため、商機を逸すれば、売上を減らすどころか、損失を生む結果につながってしまう。
こうした状況の中、生産/在庫管理という側面では、SKU単位で無駄なく、欠品なく効率的に店舗へ供給できるかが問われ、売上/会計管理という側面からは、アイテムやブランドなど、さまざまな粒度で数字を分析できなければならない。基本機能だけに絞っても汎用パッケージソフトウェアでは対応が難しいのである。
立地と趣向の傾向、セールの最適値引率なども
そのほかにもアパレル業界向けシステムの設計では、考慮しなければならない要素がいくつもある。例えば、「店舗の立地と消費者の趣向の関係」、「セール時における最適な値引率の推測」、「展示会受注」などが挙げられるという。
では、これらは具体的にどういったもので、システム側にはどういった機能が求められるのか。アパレル業界の特徴を紹介しているダウンロード提供資料に記載されているので、ぜひご参照いただきたい。
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