新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックを受けて、ユーザー接点のあらゆる場がオンラインへとシフトした。これに際して従来以上に重要性を増しているのが、オンライン接点の主たる場である自社サイトだ。

自社サイトの持つ役割としては、大きく次の2つが考えられる。広報部門による全ステークホルダーに向けた「Brand Building(ブランド構築)」と、事業部門による未来も含む顧客へ向けた「Customer Relationship Building(顧客関係構築)」である。オンラインシフトが世界的な潮流となるなか、広報部門と事業部門は、これまで以上に連携して自社サイトを運用しなくてはならない。ただ、残念なことに、“役割の相違” を理由に今述べた連携がうまく進まないケースが多い

自社サイト運用にあたって企業はいまどんな状況に置かれているのか。広報部門と事業部門の双方にとって “良し” とされる自社サイトはどんな姿なのか。本稿ではある対談の模様から、特にBtoB企業に焦点を当てて今述べたテーマに対する解を紐解いていきたい。対談に登場するのは、デジタルマーケティングのコンサルティング業を営む株式会社Nexal 代表取締役 上島 千鶴氏とCMSソリューションを提供するサイトコア株式会社 代表取締役 カントリーマネージャー 酒井 秀樹氏だ。

[対談レポート] Nexal 上島氏 × サイトコア 酒井氏
広報部門と事業部門、双方にとって”良し”とされるWebサイトの在り方とは
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株式会社Nexal 代表取締役 上島 千鶴氏 (写真左)、サイトコア株式会社 代表取締役 カントリーマネージャー 酒井 秀樹氏 (写真右)

株式会社Nexal 代表取締役 上島 千鶴氏 (写真左)
サイトコア株式会社 代表取締役 カントリーマネージャー 酒井 秀樹氏 (写真右)


Webサイトを運用するために組織はどう在るべきか

コロナ禍によってBtoBのコミュニケーションは大きく変化した。これから先、Webというプラットフォームが主役になっていくことは想像に難くない。対談では自社サイト運用をテーマに、デジタル時代に会社を成長させていくために在るべき組織体系について語られた。

両者の見解で共通したのは、自社サイト運用の動きが各社で活発化しているということ、しかし、そこに際しては広報部門と事業部門の連携が取れていないケースがほとんどだということ。以下、対談レポートの中から一部を抜粋する。

株式会社Nexal 上島氏
Webサイトがさまざまなステークホルダーとの重要な接点になっている現在、「もう広報部門だけが考えるものではない」と感じています。なぜなら、各社の動きを見ていると、(デジタル)マーケティングと非対面営業(インサイドセールス)の組織形態には6つの型(下図参照)に分けられ、世界的なパンデミックの影響からか、国内企業は急いで事業横断型の本部組織を立ち上げる傾向が見られるからです。しかし、デジタル接点となるWebサイトに関して言えば、全社的なWebガバナンスの話と、事業部マーケティングの動きの統制が取れていない企業がほとんどです。

それに対してグローバル展開している企業では、グローバルマーケティング本部と各事業内のマーケティング組織が連携していることが多く、Webリニューアルと同時にWeb構造も最適化されています。

サイトコア株式会社 酒井氏
コロナ禍を経て世の中の距離は一気に狭くなり、いままで以上にいろんなところにリーチできるようになりました。ビジネスの機会は一気に広がり、またとないチャンスが目の前に広がっている状況です。デジタルマーケティングを重視している企業は、そのようなチャンスに向けて瞬間的にリーチできています。

もちろんそのためにはさまざまなコンテンツが必要で、さらにそのコンテンツは統一されたメッセージを持っていなければなりません。ですが、そういったメッセージングを踏まえてコンテンツを制作している企業はまだまだ少ないように思います。
デジタルマーケティング(デジマ)×インサイドセールス(IS)組織の6つの型

上島氏が対談で引用した、「デジタルマーケティング(デジマ)×インサイドセールス(IS)組織の6つの型」
出典)書籍「営業を変えるマーケティング組織のつくりかた」技術評論社 2021年刊

両者の見解から、広報部門と事業部門双方にとって “良し” とされるWebサイトを持つことが、これから先ビジネスをのばしていくうえで不可欠なのがわかる。ここでいう「”良し” とされるWebサイト」とは、「全社的なWebガバナンスと事業部マーケティングの動きが統制された姿」だといえる。

では、どのようにすればそういった姿へ組織を変えていくことができるのか。対談では組織づくりのアプローチ方法や、具体的にどんな形で広報部門と事業部門が連携すべきかなどが語られた。下のリンクでは対談レポートの全文がご覧になれる。Webサイト運用に携わる方は、ぜひ目をとおしていただきたい。

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