「官民データ活用推進基本法」が公布された2016年以降、オープンデータの取り組みは大きく加速した。オープンデータが持つ大きな意義は、地方にある諸課題の解決と経済活性化を、官民協働で実現することにある。兵庫県が推進するオープンデータは、まさにこの意義を体現したものといえる。

同県がオープンデータで強化するのは、多種多様なデータに基づいた政策の立案だ。県内にある課題を発見し、仮説検証のうえ政策を立案する。ただこれを実施するのではなく、効果を明瞭にして後の政策に活かしていく、……データを基点にしてこれらのサイクルを回していくのだが、ユニークなのは県内市町をしっかりと巻き込んでこれを進めていること。分析基盤で利用するTableauの共有・公開機能を駆使することにより、各市町が自分事として “データ基点の地域政策” に臨む体制を構築している。

オープンデータ推進のプラットフォームとしてTableauを活用

兵庫県の取り組み詳細は、ダウンロード資料からご覧いただきたい。

本稿では兵庫県の取り組みをまとめたホワイトペーパーから一部を抜粋し、健康寿命の延伸を目指したデータヘルスの試みを紹介したい。

Tableau Japan 導入事例
[兵庫県]
オープンデータ推進のプラットフォームとしてTableauを活用
健康寿命の延伸を目指したデータ利活用でも大きな貢献

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取り組み例:県内市町と連携して健康寿命の延伸に取り組む

兵庫県では「ひょうご・データ利活用プラン」を策定した2019年4月以降、県内にあるデータを様々な切り口でダッシュボード化し、各市町へこれを公開することでデータを駆使した地方自治を実践している。同県が公開するダッシュボードの中で特に取り上げたいのが、2020年10月に公開した「兵庫健康Dataダッシュボード」だ。

同ダッシュボードでは、厚生労働省より提供されているレセプト・特定健診等情報のナショナルデータベース(NDB)より作成した健診結果や生活習慣に関するデータ、健康寿命や平均寿命、主な死因などのデータをもとにした「市町別のヘルス状況」が、グラフや地図といった形で可視化されている。

兵庫県ではこれを公開した同時期より、「健康寿命の延伸を目指したデータ利活用推進研修会」というワークショップも開始。約40の地方自治体が参加する組織横断的なチーム体制のもと、各市町にある課題の掘り下げに臨んでいる。ダッシュボードは他の市町と比較できる作りになっているため、各市町は自分たちの課題を即座に明確化することが可能。ここで得たインサイトを各市町が各々の政策に活かすことにより、県全体の健康寿命の延伸が期待されている。

兵庫県におけるデータ利活用の全体像

兵庫県におけるデータ利活用の全体像。県内にあるデータを公開することで、各市町が図にあるサイクルを回していくことが目指されている。

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兵庫県の取り組みで特徴的なのは、県が各市町に対して積極的にデータを公開している点だ。ホワイトペーパーでは上で紹介したデータヘルスの取り組み以外にも同県が公開するダッシュボードを紹介。また、公開にあたって利用しているTableauの機能「Tableau Public」についても、詳細に解説している。データ活用に携わる方にはぜひご覧いただきたい。

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