「Simcenter FLOEFDを使用し、強化冷却技術を設計」

強化冷却技術の設計秘話。全容は、本事例をダウンロードしてご確認いただきたい。

大手非鉄金属メーカーの三菱マテリアルは、新たに設計開発した強化冷却技術によって、自社切削工具に取り付ける炭化タングステン製インサートのコーナー寿命を40%も伸ばすことに成功した。三角の形状を持つ同インサートは、通常、6つあるコーナーをすべて使用してから新たなインサートへ交換される。コーナー寿命を伸ばすのは交換の回数を減らすことに繋がり、ユーザーの生産性向上に直結する。

本稿では三菱マテリアルの強化冷却技術がどんな着想のもとで開発されたのか、またシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューションがどのように効率的な開発に貢献したかに迫っていく。

三菱マテリアル 設計秘話
「Simcenter FLOEFDを使用し、強化冷却技術を設計」
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どうすればホットスポットへ的確にクーラントを到達させられるか

インサートの短命化を引き起こす大きな要因は、工具のすくい面と逃げ面の摩擦で生じる「熱機械的影響」である。この影響を低く抑えるために、切削工具には冷却システムが搭載されているが、熱機械的影響を生むホットスポットへ的確にクーラントを到達させるのは難しい。

ホットスポットの冷却の悪い例

通常、冷却システムにはインサートの近傍にクーラントを噴射する冷却ノズル穴が配置されている。しかし、近傍からの噴射では、右にあるように刃先にまでクーラントを到達させることが困難。そのため、どうしてもホットスポットの冷却効果が落ちてしまうのだ。

ここで三菱マテリアルが着想したのが、インサートの近傍ではなく、インサートシートの下部から噴射してクーラントをホットスポットに当てるという手法。東京大学生産技術研究所の帯川利之教授と連携し、独自の工具ホルダーとなる「ジェットテック」ホルダーの設計開発に着手した。

三菱マテリアルの「ジェットテック」ホルダーの構成と、関連CSDモデル。

三菱マテリアルの「ジェットテック」ホルダーの構成と、関連CSDモデル。

ただ、設計開発にあたり三菱マテリアルのエンジニアを悩ませたある課題があった。新しい冷却ノズルの冷却機能と機械的効果を検証するには、普段から利用しているCADにくわえ、コンピュータ上で構造解析を行うCAEや流体流れと熱伝導の解析を行うCFDの利用が不可欠となる。同社にはCFDの専門家がおらず、設計者がシミュレーション解析も行う必要があったのだ。

*  *  *

冒頭のとおり、三菱マテリアルは見事「ジェットテック」ホルダーを完成させてコーナー寿命を伸ばすことに成功している。どのようにして先の課題を解消して成功にたどり着いたのか、同社の強化冷却技術は具体的にどんな機能優位性を持つのか。全容をぜひ本事例からご確認いただきたい。

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